新選組の強さの秘密 | 中杉 弘の徒然日記

中杉 弘の徒然日記

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新選組土方歳三・栗塚旭(はまり役!)
※新鮮組は、頭には鉢巻をするのですが、頭が割られないように鉄がついているのです。鉢金(はちがね)と言うのです。


 皆が言わないことがあります。新選組、もっとさかのぼって赤穂浪士も1人も死んでいません。

赤穂浪士(あこうろうし)は、深夜に旧主浅野長矩の仇である、吉良義央の屋敷に討ち入り、吉良義央および家人を殺害した事件です。赤穂浪士は。47士の一人たりとも死んでいません。相手は家臣ともども死んでいます。

 新選組の池田屋騒動の時は、近藤をはじめとする15名で約40数名いる所へ斬りこんだのです。「新選組は強い」「腕がたつ」と言われていますが、実際はどのようなものかというと具足(ぐそく)を着ていたのです。具足とは、鎧(よろい)ということです。鎧と言っても、中世や戦国時代の兜(かぶと)をかぶった大鎧ではありません。鎖帷子(くさりかたびら)という、鉄の鎖で編んだ鎧があるのです。それは鉄だから斬れないのです。その上に剣道の胴着を付けているのですから銅は斬れません。

 頭には鉢巻をするのですが、頭が割られないように鉄がついているのです。鉢金(はちがね)と言うのです。新選組は完全武装しているのですから、斬れないのです。指は鉄の入った小手をまいているのです。足は脚絆(きゃはん)と言って、縦に鉄の線が入ったものを付けているので、足も斬れないのです。新選組は、完全武装しているから強かったのです。相手は素手です。

 これを皆、見落として「新選組は強かった」と言っていますが、当たり前です。新選組は具足をつけていたのです。特に新選組は、警察機能を持っているから自分がやられる必要はないのです。ちゃんと具足をつけて完全武装で出動しているのです。

 鬼平犯科帳の鬼平もちゃんと具足をつけています。大石倉之助の忠臣蔵も全員が具足をつけて重武装です。それで討ち入りをするのです。相手は寝とぼけ眼で「討ち入りだ!」と起きてくるのです。向こうは裸ですが、討ち入りする方は具足をつけているのです。最初から「勝負あった!」だったのです。

 そのような事を映画やドラマでは強調しないので、この事実は見落としがちです。「斬り合いとはどのようなものか?」ということを、よく見ていったほうがいいのです。斬り合いの現場に行くと、有名な話ですが指がポロポロ落っこちているのです。

 刀で斬り合いをしていると、時々指が落っこちてしまうのです。新選組で指が落ちた奴は誰もいません。手甲をしているのです。当たっても指は落ちないのです。だから強かったのです。

 「なぜ、新選組が強かったのか?」ということを見ていくと分かるのです。新選組も赤穂浪士も討ち入りするということは、完全武装をしていたのです。

 新選組は、池田屋騒動の戦いが終わった時に「刀を出せ」と皆の刀を調べたのです。「誰の刀がどうなったのか」という記録が残っています。沖田総司の刀は、「帽子(ぼうし)が折れてササラのごとし」と書かれています。或いは「曲がっている」「鞘(さや)に入らない」「折れた」という記録を残しています。

 それで、給料が決まったのです。「この刀は綺麗だから戦闘をやっていないな」と分かるのです。それで、給料が決まったのです。



■池田屋事件の刀傷の記録■



近藤勇「長曽祢虎徹」刃こぼれ小さく3ヵ所。

土方歳三「和泉守兼定」刀の傷み無し。

沖田総司「加賀清光(大)」帽子(刀の切っ先の中の刃文)が折れた。

永倉新八「播州住手柄山氏繁」池田屋では帽子が折れた。

藤堂平助「上総介兼重」物打(切っ先までは行かないが、刀の真ん中より先の方)に刃こぼれ小さく十一箇所、はばき元(鍔の近く)に大四箇所あって、修復は不可能なほどの刃こぼれだった。

斎藤一「摂州住池田鬼神丸国重」小さな刃こぼれ無数。

井上源三郎「奥州白河住兼常」刀の傷み無し。

原田左之助「江府住興友」刃こぼれはばき元に大二箇所、物打に小七箇所。

谷万太郎「月山弥八郎貞吉」刃こぼれ七箇所、刃まくれ四箇所。

浅野藤太郎「武州重住藤原是一」刀身が左に曲がってしまった。

武田観柳斉「越前住常陸守兼植」小さい刃こぼれが六箇所。

篠塚岸三「雲州住家貞」物打から折れてしまった。

林信太郎「備前国横山茂平祐春」刃こぼれ大が六箇所、小が四箇所。

島田魁「奥州仙台住源兵衛国包」刀身がやや左に曲がり、刃こぼれは大小逢わせて十四箇所。

川島勝司「越中住兼明」刀の傷み無し。

葛山武八郎「濃州関住兼家」刀の傷み無し。

三品仲治「備州長船住藤原祐平」刀身が強く曲がり、刃こぼれが大小二箇所。

蟻通勘吾「播磨住昭重」帽子が折れた。

松原忠司「加州住藤島友重」刃こぼれはばき元に大四箇所、物打ちに細かく19箇所。

伊木八郎「越後新発田住兼則」刃こぼれ大小十七箇所。

中村金吾「江府住細田直光」刀の傷みは少々。

尾崎弥八郎「奥州会津住兼友」大きい刃こぼれが、はばき元に1箇所、物打に六箇所。

佐々木蔵之丞「越中住兼明」刀身やや右に曲がり、刃こぼれが三箇所。

河合耆三郎「濃州住御勝山永貞」刀の傷み無し。

坂井兵庫「作州津山住兼光」刀の傷みは少々。

木内峯太「美作津山住信孝」物打に、やや大きな刃こぼれが大きく二箇所。

松本喜三郎「摂州尼崎住雲仙子貞秀」刀の傷み無し。

竹内元三郎「関善定兼方」刀身左に曲がり、刃めくれが四箇所、はばき元に1箇所

近藤周平「作州津山住城慶子正明」刀の傷み無し。

奥沢栄介「武州鴻ノ巣住雲竜子景勝」帽子が折れた。

安藤早太郎「南海太郎朝臣朝尊」物打ちあたりを接損。

新田革左衛門「勢州住長心子直久」細かい刃こぼれが無数。



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朝堂院大覚 剣道と神道 2014 ・6・5


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