第三の矢は安土桃山城から | 中杉 弘の徒然日記

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※安土桃山城を復活させよ!
1月12日の月曜日のBSプライムニュースでは、大変有益な話なので皆さんも見たらよいと思います。

 その中で出てきたゲストはイギリス出身のデービット・アトキンソンさんという人です。この人は、300年続いている小西美術工藝の社長です。小西さんに「是非、社長をやってください」と頼まれて、社長になった人です。現在49歳で、オックスフォード大学で日本文化を研究して日本に来日して、ゴールドマンサックスで日本の経済を分析する仕事をやっていた人です。当時、「日本の不良債権が20兆円ある」と指摘した人です。日本の銀行から電話があり、「20兆円の不良債権などウソを言うな。お前は日本の経済を潰すために来ているCIAの回し者だな」という事を言われて外国に避難したこともあります。そのような経歴をもった人です。

 アトキンソンさんは、オックスフォードにいた時から日本の経済・文化に興味をもっていたのです。単に日本にあこがれてきたのではなくて、本質を見極めた人です。証券会社で充分稼いだので、軽井沢に別荘をもち、その隣が小西の社長さんで「是非、うちの会社の経営をやってくれないか」と言われて引き受けたのです。ですから、株は持っていないと言っていました。

 何をやっている会社かというと、日光東照宮や出雲大社などの修復事業をやっている会社です。専門は塗装です。アトキンソンさんが、日本の経済についての見解を述べてくれたので、非常に参考になりました。

 まず、日本は観光事業に力を入れていません。「おもてなしの精神」と言われていますが、全然少ないのです。まず、日本に来ている観光客の数を見てみます。具体的な数字を示しています。フランスは年間8千300万人の外国人が来ています。アメリカは6千980万人が来ています。日本は1千200万人くらいです。

 金額から言うと日本の観光収入は、年間149億ドルです。この金額は、マカオの年間観光収入の28.9%にあたります。いかに少ないか分かります。「おもてなしの精神」と言っても自己満足であり、日本に観光客はそんなに来ていないのです。

 それで、GDPの比率でみると、日本はGDPが500兆円あります。GDPとは、国民総生産です。それに対して観光が占める割合は2%しかないのです。ところが、先進国であるフランス・イギリス・イタリアなどは、GDPに対して9%が観光収入として入ってきているのです。日本はそれに比べたら全く少ないわけで、9%の売り上げが立てば、45兆円上がるという計算になります。

 「地域活性化」というならば、観光産業に力を入れなければいけません。観光産業には、4つの条件があり、「天候・文化・食事・自然」です。天候がよくないところには観光客は来ません。文化がないところに観光客はきませんから、アフリカなどに観光客は行きません。それから、食事がまずいところには観光客は行きません。ラクダをまるごと食べるような野蛮な所へは行きません。それから自然です。

 この4つを整備しないと観光客は来ません。日本は天候・文化・食事・自然の4つとも合格です。もっと観光客が来てよい条件がそろっています。それがなぜ2%なのでしょう。もっと考えなくてはいけません。

アトキンソンさんが文化財の修復をしてわかったことは、日本の場合、文化財の修復は、建物だけしか補修しません。周りも修復しなければいけないのです。例えば金閣寺は修復しますが、周りは修復しないのです。ですから、さびしいのです。

 やはり文化の重みを考えたらもっと範囲を広げるべきなのです。京都の二条城は大政奉還が行われた日本の歴史が大転換する凄い文化遺産です。しかし、二条城に行ってみると人形が置いてあるだけなのです。そんな物ではダメなのです。「日本の歴史がここから始まった」というような演出を加えて、感動するものにしなければいけません。「そこに行けば歴史が学べる」というものにしていかなければいけません。

日本に来る外国人旅行者は東南アジアが多く、一人当たり落とす金額は一日で1万4千円くらいです。ところが「よいものを作るならば、いくらでも観光客は来る」と言うのです。本当の大金持ちは日本には来ません。せめて軽井沢の5万円の部屋があるくらいで、そんな所には泊まりません。大金持ちは、300万円の部屋でも泊まるのです。お金は無尽蔵にあるのです。そのような部屋も用意しなければいけないというのです。

そのような部屋は日本にはありません。だから世界の大金持ちは日本には来ないのです。来ないから日本にお金は落とさないのです。貧乏人の中国人が100円均一に行ったり、デパートで買い物するくらいで、そんなことで観光収入は増えません。

 日本にもっとお金を落としてもらうシステムをつくるのです。使う側か言うと、文化財を見に行った西洋人は、10万円くらいお金を使っているのです。そのようにランクをもうけるのです。「お客さんは来ますかね」と反町(そりまち)編集長が質問すると「来ます」とアトキンソンさんは言っていました。世界の金持ちは、一泊300万円くらいの部屋など、なんとも思っていません。

 もっともだなと思いました。これからのGDPの観光産業の伸ばし方は2%のものを9%にまで伸ばせるということです。そうすれば日本は観光大国となり、甦ってくるのだなと思います。

 これからは私の話です。「第三の矢とは地方再生だ」と安倍さんは盛んに言っています。「地方再生」とは、何から始めるのでしょう。そう考えた時に僕は第一番に「信長の安土桃山城を再建しなさい」と提言します。壮大な建物を再建するのです。お城を造るだけではなく、そこには観光施設をつくるのです。

 安土桃山城は、八角形の部屋があり、信長がいる部屋は最上階です。あれを再建するのです。安土桃山城ができれば、日本国中から「見たい」とみんな見にきます。それから、秀吉の聚楽第(じゅらくだい)を再建するのです。豪華絢爛な宮殿を建て後陽成天皇を聚楽第にお招きし. 諸侯に忠誠誓わせ豊臣の天下を世に知らしめた聚楽第、これも再建するのです。

 「地方再生」とは政府がお金を出すということですから、どんどんお城をつくればよいのです。安土桃山城を再建すれば、外国人も「信長の城は凄いな!」とびっくりすることでしょう。

 日本は廃藩置県により、明治時代に城は全て壊されました。一つの県に一つのお城が残ったのです。熊本県に残った城は熊本城だけなのです。まだあります。江戸城を再建するのです。天守閣を建てるのです。江戸城を再建したら全国から見に来ます。明治に潰された名城も再建するのです。

 それから各地方でお祭りを盛んにするのです。ちゃちいものをやってはいけません。日本の大名行列のようなお祭りを再現するのです。それから、戦国武将のお祭りで武田の騎馬軍団や、関ヶ原の合戦、流鏑馬(やぶさめ)を盛んにやるのです。流鏑馬は神社でやりますが、2~3人行列が並ぶともう見えないのです。もっと見える施設をつくって流鏑馬をやるのです。そうすれば「流鏑馬って凄いな」と思い、国内外から見に来ます。

 神社やお寺には、有料のガイドをつけて、「伊勢神宮の謂(いわ)れはこうです」そのようなことをやらないから、スマホで検索してスマホで観光ガイドを聞くようなことになるのです。スマホの会社は儲かりますが、主催の地方は儲からないのです。説明書をつくってやればよいのです。

 宿泊施設の場合は、舞子さんも呼ぶのです。アトキンソンさんはそう言っているのです。自分は京都の町屋を直して住んでいると言っていました。その自宅に友達を集めて芸子さんを呼び、三味線や、琴や、踊りを自宅でやるのです。これは、最高のおもてなしです。

 するとホテルの場合は、100万円くらいの料金にして「芸者サービス」をやればよいのです。「うわ、素晴らしいな」という事をやれば、あっという間に日本の文化は甦り、ぶっ壊れたような塀も治り、日本全国に城が甦ってくるのです。これが真の地域再生だと思います。祭を盛んにして盛り上げていく。これは信長の安土桃山城の再建から始まるのです。



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朝堂院大覚 剣道と神道 2014 ・6・5


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