シスキン産駒、初勝利 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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ちょっと前に新種牡馬のお話をするといって計6頭ここで取り上げたんですけども(記事はこちらから前編後編)、その6頭の中に含まれていなかったシスキンがまさか新種牡馬初勝利を挙げるというね。なんでこんなに驚くのかというと、現2歳世代にシスキン産駒は7頭しかいないんですよ。本当ならもっと産駒が増えるはずだったのがアクシデントで種付けシーズン途中で打ち切りという事がありましてね。POGでも1頭シスキン産駒は指名しているので血統や種牡馬としての期待値は十分あると思ってますけども、まさかもう勝つとは。こりゃ凄いかも、という事もあり得ると思うので、ここで急遽シスキンの血統のお話やらをしたいと思います。

 

 

現役時代は8戦5勝。2歳時に4連勝でGⅠを勝つなど活躍。返す刀で翌年のアイリッシュ2000ギニーも制覇しGⅠ連勝で自身5連勝。しかしその後は精彩を欠き勝利することが出来ず。本来は4歳でも現役を続ける予定があったとかなかったとか、色々怪しい話はあったようで、社台SSでの導入というのもコロナ禍におけるゴタゴタがあったうえでの決定という噂も聞くが、真相のほどはわからない。この馬を生産したのはジャドモンドファーム、あのアブドゥラ殿下というピッカピカの一流どころで、そのアブドゥラ殿下は2021年に亡くなっている。この馬の導入決定は20年秋なので、その辺の関係もあるかなと邪推。血統面で強調すべきところはやはり父がアンブライドルズソングの産駒であるという事と、この馬の4代母がBest in Showというところだろう。アンブライドルズソングは言わずもがな、日本でも有名な血統でアンブライドルドの底力を伝え、日本の芝にも適応する柔さも秘めている。そしてBest in Showは超名牝系で、日本で言えばアーモンドアイもこの牝系出身。近親のザールはゴーンウエストとサーアイヴァーの軽さが強すぎて種牡馬としてはちょっと…、というところはあったが、いかにも肌に回っていい牝系だし父First Defenceの母はエンパイアメーカーの半姉なので、父も母もジャドモンドファーム御用達、セックスアピール≒Monroeの3×5とも書くことが出来る。母父オアシスドリームはキングマンなども出ている牝系出身でこちらもまた良血。一言で言えば良血、二言で言えば凄い良血という感じ、よく日本に持ってこれたなという馬がシスキンだ。Best in Showとかアンブライドルドとかグリーンデザートとか名だたる名血が入っているのにヌレサドの名前が出てこないというのが使い勝手のいいところで、アンブライドルズソングにオアシスドリームだから母父ディープは当然期待したいところだし、キンカメ肌はアーモンドアイを狙う感じで配合する形が作れるからこれもまた期待値が高まる。自身が早期から走っていたように割と早熟というか完成度は高めの様で、そういう意味でも緩い中距離的な繁殖が増えてきた馬の日本にはハマりそうな種牡馬でもあるだろう。一つ気を付けたいのがサーゲイロードの血を母方が多く包容している点で、いきなり勝ち上がったキトンインザスカイは母が全くサーゲイロードの血を持っていなかった。それでも牝馬で430㌔台と小柄で、牝馬はサイズに注意すべきというのはありそう。特にディープ牝馬だと尚更サイズの不安があるかもしれない。ダートに関しては何とも言えないが、父First Defenceの産駒はクローズハッチズという馬がダートGⅠを勝っていて、その子供もまたダート重賞を勝っている。このクローズハッチズ、シスキンの親戚なので決してダート適性が低い種牡馬ではないというのは十分考えられるし、特にキンカメ持ちだとダートに振れる馬も少なくないだろう。他に狙いたい組み合わせは、あまりないだろうけどスクリーンヒーローですかね。これも手堅いと思っております。勝ち上がったキトンインザスカイはクールキャットの妹だし、レイクヴィラファームさん、是非ご検討のほどを。

 

上手く魅力を伝えられた気がしないけど、とにかく凄い良血ですよという事だけはお伝えしたい。母父に回っても優秀だと思うし、そういう意味では牝馬を狙うのも悪くないのかなと。7頭しかいないけど、そこからどういった活躍をしてくれるかとても楽しみ。