最近、債務整理のご相談者で、「おまとめローンで借り換えました。」とおっしゃる方が増えています。
おまとめローンって?
今まであった複数の借入れ(A社、B社、C社等々)を1社(X社)にまとめるため、X社から借入れたお金で、A社、B社、C社等々を完済することです。
「おまとめローン」により、
①低金利で借りることができ、また、②借入先が1社にまとまるので管理が楽になり、かつ、1社のみに返済するので便利になって得をしたような気持ちになりそうです。
しかし、デメリットもあります。
おまとめローンのデメリット
1 過払い金を見逃すかもしれません
おまとめローンで借りたお金で、今までの借金を完済します。
その際に、取引状況によっては、完済した取引に過払い金が発生している場合も考えられます。
ぜひ、利息制限法による引き直し計算をされることをお勧めいたします。
⇒過払金請求について詳しくはこちら
2 借入限度額の増加により借金が増えるかもしれません
おまとめローンの商品についてのインターネットの広告によると、たとえば、I銀行は「30〜700万円を金利3.8%〜13.5%」の契約が可能なようです。
せっかくおまとめをして借金を減らした?はずだったのに、「まだ借りることができる。」と安心してしまい、さらに借入れをして、簡単に借金を増やしてしまいます。
3 返済期間が長期化し、つらいかもしれません
おまとめして、毎月の返済額を増やすことができればいいのですが、毎月の返済額を減らした場合には、返済期間が長期化してしまう恐れが多大にあるといえます。
返済期間中は当然利息が発生し続けるわけですから、依然として借金に負われ、返済を続けていかなければならず、なかなかつらいことです。
おまとめローン | 任意整理 | 自己破産 | |
---|---|---|---|
利息 | 低金利 | 基本的にゼロ | ゼロ |
債権者数 | 1社 | 複数社 | 複数社 |
債務総額 | 変わらないことが多い | 過払い金があれば減る場合もある | 免責されればゼロになる |
状況の悪化 | さらに借入れ可能で
借金増加の恐れあり |
信用情報に登録
(さらに借入れは不可能) |
信用情報に登録
(さらに借入れは不可能) |
「おまとめローン」をして、一時的に状況が改善されたとしても、結局のところ、根本的には、借金は減らず、かえって増えてしまい、債務整理をご相談される依頼者が多数いらっしゃいます。
「おまとめローン」を考える前に、弁護士に債務のご相談をされることをぜひお勧めいたします。