ケースで見る債務整理-時効援用 | 名古屋市の過払い金・自己破産・法人破産・債務整理弁護士のブログ|愛知県

名古屋市の過払い金・自己破産・法人破産・債務整理弁護士のブログ|愛知県

愛知県名古屋市での過払い金・自己破産・法人破産・個人再生・任意整理なら債務整理・倒産法弁護士へお任せください。


にほんブログ村
励みになりますので、
応援クリックお願いいたします

 

 

≪ケース≫
私は会社員のOといいます。10数年前に貸金業者のAからお金を借り、現在まで借りたり返したりを繰り返しています。
また、貸金業者のBからも10年ほど前にお金を借りていたのですが、ほとんど返済をせずつい最近になって返済を催促する手紙がきました。
手元にお金がないので、過払金というものが出るのであればそれでお支払いしたいのですが、どうしたら良いでしょうか。

今回のケースでは、Bに対する消滅時効の援用の可能性があるといえます。どういう場合に時効援用が認められるか、場合分けして検討してみたいと思います。


1.Aに対する過払請求
取引履歴を開示したところ、OさんとAとの間の取引は平成5年頃から始まっており、大きな分断もなくずっと返済していたことがわかりました。
これを引直計算したところ、400万円の過払金と100万円の過払利息が発生することも判明しました。
この過払請求事件は時効の援用とは別に進んでいくことになりますので、今回は割愛させていただきます。

 


2.時効援用

借金は、返済期日または最終の返済から、一定の期間が経過すると消滅時効が成立します。その期間は、貸主か借主のいずれかが商法上の商人であるか、会社法上の会社であれば、商事債権として5年(商法522条)となり、いずれも商人又は会社でない場合は、一般的な債権として10年(民法167条)となります。


また、時効期間が経過したとしても、何もしないままでは債権は消滅しないため、「時効を援用します」という意思表示を、相手方に行う必要があります
さらに、法で定められた中断事由が生ずると、時効の進行が中断してしまうため、これらの事由が存在していないことが必要になります。時効の中断事由としては「①請求、②差押、仮差押、仮処分、③承認」が挙げられます(民法147条)。
そこで、Oさんの場合においても時効援用が可能か、検討してみたいと思います。

 


3.Bに対して時効の援用ができるか
(1)Bが4年前に裁判所に訴えを提起し、確定判決を得ていた場合
時効中断事由としての請求(①)とは、裁判所が関与する形で、債権者が権利を主張することをいいます。裁判手続きにおいて、貸主が権利を主張すること、その他支払督促の申し立てや、和解や調停の申し立てがあったこと等がこれに当たります。
そのため、Oさんが4年前に確定判決を取られていた場合には、時効は中断され、判決確定の時より新たに10年が経過しないと時効の主張ができなくなります


(2)OさんがBに「返済する」と言ってしまった場合
催告のお手紙が来たことにびっくりして、手紙に書いてある電話番号に連絡して支払いますと言ってしまう方は少なからずいらっしゃいます。このような場合、時効の主張は可能でしょうか。
貸主に対して、債務があることを認めることは、時効中断事由(③)に当たります。
また、「返済」も債務承認にあたります。債務があることを認めたからこそ、返済をしたといえるためです。
そのため、Oさんのように「支払います」と言ったり、届いた書面に記載されている口座に返済したりしてしまうと時効の援用はできなくなってしまいます。
この場合においても、再び時効の期間が経過すれば、時効の援用は可能となります

 


4.おわりに
時効の期間が経過しているか、中断事由が存在しているか等は、一般の方ではわかりづらい部分もあるかと思います。また、相手方の請求が怖く、債務の承認をしてしまう方もいらっしゃるかと思います。
名古屋総合法律事務所では、依頼者の方からの十分な聞き取りに基づき、時効により債権の消滅が生じていると考えられる場合には、時効援用の意思表示の手続きを行わせていただいております。
ぜひ、お気軽にご相談いただければと思います


時効援用について詳しくは、名古屋総合法律事務所の債務整理専門サイトをご覧ください。

 



にほんブログ村
励みになりますので、
応援クリックお願いいたします