ケースで見る債務整理―任意整理 | 名古屋市の過払い金・自己破産・法人破産・債務整理弁護士のブログ|愛知県

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≪ケース≫
 私は自営業をしているXです。6年ほど前に貸金業者からお金を借り、今もこれを返済中です。現在債務は200万円ほどありますが、仕事のほうもうまくいかず返済が滞りそうです。自分が借りたものですので何とか返済したいとは思うのですが、何かいい方法はないでしょうか。

債務を整理する方法としては、任意整理、自己破産、個人再生といった様々な方法があります。今回のケースでは、このうち任意整理について考えてみたいと思います。

1.任意整理とは
 任意整理とは自己破産や個人再生のように裁判所を利用することなく、貸金業者と交渉し、毎月無理のない金額に分割して返済しやすくするものです。
 総債務が少額であったり、Xさんのように少額ずつでも返済したいという方に適した債務の整理方法といえます。


2 任意整理のメリット
 任意整理は裁判外での和解となることから、自由にその内容を決めることができます。
 例えば、借入先の貸金業者3社のうち1社のみを整理したりすることもこれにあたります。
 また、ギャンブルや浪費等を理由とする自己破産が認められないケースであっても、任意整理をすることも可能です。

 そして、自己破産、個人再生では官報に氏名が掲載されることになりますが、任意整理の場合はそのようなことはありません。官報をかかさずチェックしている人はあまりいないとは思いますが、友人や会社の同僚等に知られる可能性がないとはいえません。任意整理であれば、周りに秘密にしたまま整理することができるといえるでしょう。

 

3.  デメリット 
 まず、自己破産や個人再生のように減額の幅は大きくありません。
 貸金業者にもよりますが、将来的な利息をカットする程度になるのが一般的でしょう。

 また、信用情報機関に事故情報として記録されることになります。信用情報機関に登録されてしまうと約5年は新たにクレジットカードを作ったり、キャッシングをしたりすることができなくなります。ただ、新たに借り入れができないことで債務を増やすことがなくなるため、ある意味ではメリットともいえるかもしれません。



ラッキー


4. 今回の事案

 今回のケースでは、Xさんは貸金業者Aに対して約200万円の借り入れをしています。将来的な利息のことも考えると、仕事がうまくいかず収入が減少してきているXさんには返済が厳しいものといえそうです。    
 
 任意整理をする場合、まずは過払い請求と同じく取引履歴の開示をすることになります。現在の債務額がいくらなのか調べるのと同時に、過払いになってはいないかも調べるためです。もし、過払金が出るケースなら、過払い金を充当して、債務額自体を減額することができます。今回のケースでは、過払金はなく、210万円の債務が存在していたこととします。

 債務額が確定したら、次は弁済計画を立てて貸金業者と交渉することになります。弁済計画は、債務者の収入を勘案しつつ3~5年という期間で返済を考えるのが一般的です。
 例えば、Xさんの収入を月30万円程度と考えれば、3万5000円の60回(5年)払いというような弁済計画が考えられます。  

 この点、任意整理はあくまで任意であるため、相手方である貸金業者が必ず同意するとは限りません。債務者の収入が多ければ返済期間を短くすることを望む場合もありますし、ケースによって様々な弁済計画が練られることになります。  
 この弁済計画について貸金業者と合意をし、和解が成立すれば弁護士の仕事としての任意整理は終了となります。

5. おわりに
 和解が成立したからといってもその後きちんと計画に沿った弁済をしていかなければ債務不履行として一括返済を求められたり、利息を付けた金額の返済を求められることになり、せっかく弁護士に依頼したことが水の泡となってしまいます。  
 そのため、弁護士の仕事が終わったから何とかなったんだとは思わずに、気を引き締めて毎月の返済をしていくことが何よりも重要であると思われます。

→任意整理について詳しくはこちら!



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