岸惠子 著「わりなき恋」を読んで ~熟年・初老の離婚~ について思う 2 | 名古屋市,岡崎市の離婚・不倫慰謝料に強い弁護士のブログ|愛知県

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代表弁護士 浅野 了一



岸惠子氏著の『わりなき恋』について、「巧みな文体で、非凡ではない作者の才能が光る。」などの、高い評価もあります。


一方、「70歳の女性と13歳程年下の既婚男性との不倫、性愛。それも、それから7年の長期間続く不倫」というテーマに対する批判も強いものがあります。

文体としては、修飾語が多く、長い文節で、岸恵子氏は意図的にこういう表現を好んでいると思われますが、読みにくいものでした。
また、内容の展開も話が飛んでいたり、文章も今一つという感じです。

展開など文学的な、あるいは文章的な評価とは別の問題として、高齢の女性が一回り以上年下の男性と長期間に渡り不倫生活を送り、膣クリームを購入する場面や性行為などを、赤裸々に表現している点は、特筆すべきです。





虹(空に架かるアーチ)

ぎりぎりに太陽が沈む人生の終盤に、虹が立つような話があり、本人にとっては、精神的にも肉体的にも新しい素敵な女性になって人生を完遂していくことは、とても素晴らしいことであります。

たとえそれが、いわゆる「不倫」「不貞」であっても。




2007年に年金分割制度が施行されてからは、夫婦の年金は、よほど特別な事情がない限り2分の1、つまり0.5の割合で分割される実務が定着しています。


財産分与、年金分割の2分の1ルールが実務で明確化されるに従い、確実に50代後半での離婚が増えてきているという実感があります。

夫が離婚を望む場合も多いですし、妻が離婚を望む場合も多いです。
人の性格は、1歳までに50%、6歳までに90%決まると言われています。
50代後半、60代で夫または妻の性格が変わることはありません。

今まで散々我慢してきた。
人生の折り返し地点を越えて、それまでの夫婦生活は何だったのだろうかと振り返り、残りの人生を自分の本当に望むように生きたいという動物的本能なのではないかと思います。


夫婦の共有財産の清算については、原則2分の1ルールが適用され、夫の定年退職時またはその数年前の離婚においては、夫に支給される定年による退職金も、その2分の1が妻に財産分与されます。





そして熟年、初老の性の問題は、岸恵子氏もそうですが、この問題に遭遇した人に、時には決定的な影響を与えます。


一方では、熟年の妻から、「夫から性交を求められとても耐えられない。」という悲痛な相談もよく受けます。私は、夫からの性交を求められるのが苦痛なら、解決方法として離婚を勧めますが、離婚に踏み切られる方はまだ少ないです。そして、その後も思い悩み続けられ、中には、夫の死をひたすら待つ方もいらっしゃいます。

それとは対照的に、熟年、初老の夫との性交を切ない思いで待ち望む妻たちも多くいます。




私は離婚相談のたびに、

①技術を身につけ、社会の変化に対応しながら確実な収入を得ること
②相続の場面における男女の平等の意義
③社会の離婚のあり方と年金分割制度、財産分与の2分の1ルールの重要性

に思い至るのです。


人生を、つつましくも満たされた生活を送るだけの経済的な基盤があって、熟年期~初老を幸せに生きることができれば、人はどれだけ幸せであろうかと感じており、そうあるよう心がけたいと思います。



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虹が立つ

この地はよく虹の立つところです。
ぎりぎりに太陽が沈むとき、正に地面から立ち上がる虹を見ることが出来ます。
稲穂を黄金色に染め、そして外側にもさらに一重の虹を従えて、大空に大きな虹が立ちました。


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