ネットで、だからテレビドラマはつまらないのだと嘆く記事を見かけた。彼の言い分を聞いて、逆にテレビドラマの魅力はどこにあるのか論じよう。
やり玉に挙げられたのはTBS系「アンチヒーロー」だった。殺人犯を無罪にしてしまう悪役が主人公というアピールコピーで話題になった。主人公は明墨正樹、演じたのは長谷川博己さん。彼の事務所に、以降、役名は割愛して俳優名で列記していくが、堀田真由さん、北村匠海さん、林泰文さん、大島優子さん。
一方、正義側は検察で、検事正の伊達原泰輔を野村萬斎さんが演じ、他に検察官として木村佳乃さんがいた。
さて、全10回だったが、話が進むにつれて変化していく。悪だと思われた明墨が行動を起こすのは、もっと大きな目的のためだった。それは、正義側であるはずの伊達原の不正を暴くことだった。検察書類を改ざんしてまで隠蔽、邪魔になる関係者をえん罪で投獄、さらに死罪にまでたくらんだ極悪人だったのだ。明墨はそれを明らかにするため、関係者を救うため、一見、悪のように見える行動をしていたのだ。
第8回頃になると、伊達原が本性を現し、露骨に明墨に敵対した。
最終回直前の第9回ラストで、大島優子演じるパラリーガルが突然裏切り、明墨が証拠隠匿罪で逮捕される事態に。
おいおい、最終回直前で主人公がまさかの逮捕!? 終わるの? このドラマ、無事に・・・? とハラハラ。
そして最終回。大どんでん返しが待っていた。大島優子の裏切りは実は明墨の指示、綿密な計画で、明墨はわざと逮捕されたのだ。それは伊達原を法廷に引きずり出し、法廷と言う公の場で、伊達原の不正を暴露するためだった。果たして・・・、宿敵のまさかの逮捕に興奮した伊達原は自ら法廷に立つと言い出した。まんまと明墨の罠にはまったのだった。
法廷で、得意顔だった伊達原が、逆転され、追い詰められていく臨場感に視聴者はスカッとしたのではないか。
さらに、伊達原のそばにいつもついていた木村佳乃演じる検察官も、実は明墨の同期で、明墨と同志、つまり、明墨側の人間で、敵の近くふところにもぐりこんで、明墨と連絡し合っていたのだ。
お話のおおまかな内容、わかりにくいとは思うが、必要最低限しか書いてないので・・・、
どうか理解していただいて・・・
くだんのテレビドラマ評論家(?)は言う。
「だからテレビドラマはつまらないのだ」
いったい、何が気に入らないのか? 長くなったので次回