演技力について 9 みごとに騙された! 安達祐実ちゃんの驚愕の演技力 | 名古屋の鈴木のブログ

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 1993年、いまから31年前。2つの恐竜映画が話題を独占していた。「ジュラシックパーク」と「REX 恐竜物語」。
2つの作品は対照的で、「ジュラシックパーク」は恐怖の対象としたパニック映画なのに対し、
「REX・・・」は少女と赤ちゃん恐竜の交流といった愛の物語。
今回、注目は「REX」の方。赤ちゃん恐竜REXと触れ合う女の子・主人公の女の子を演じたのが他ならぬ安達祐実だった。公開当時わずか11歳、映画デビューにて、いきなりの主演を獲得した。
日本テレビ系「家なき子」(1994年)で全国的にブレイクする1年前のことである。「家なき子」が始まるまえから彼女は話題の子だった。「具が大きい」がキャッチコピーのハウス食品CMとこの「REX」こそがブレイクの大きな要因であったからだ。
 私にとって、彼女を知るきっかけになったのも「REX」だった。かわいらしい少女の驚愕の演技力だった。この映画で日本アカデミー賞・新人俳優賞を獲得しただけある執念の演技力。
 恐竜の卵を発見し、孵化させるプロジェクトが発動、卵がかえらず絶体絶命、そのとき、安達祐実ちゃん演じる千恵のオカリナでかろうじて卵にひびが割れ、赤ちゃん恐竜が誕生した。REXと名付けた千恵はお母さん代わりとなった。
 大事に育てるも。本当の親でないため、食べることを覚えれない。このままでは餓死してしまう。
プロジェクトの一員でもある千恵の母親は、REXの目の前で生のピーマンをかじって、食べ方を教えなさいと命じてきた。
が、千恵はピーマンが嫌いだった。でも、あなたが母親なんでしょう!? と言われ、仕方なくピーマンを片手にREXの前にしゃがんだ。実は千恵の母親・直美(大竹しのぶ)もピーマンが苦手だったのだが、娘に押し付けた感じ。
千恵はREXにピーマンを見せて、こう食べるのよと言って、おそるおそる口にくわえてやっとの思いでかじって見せた。苦みに顔をゆがめるが、すぐにニッコリ笑っておいしいよと言った。REXは首をかしげて千恵の行動を見ていたが、理解してピーマンをかじった。研究所に大歓声があがった。少女が餌付けに成功したのだ。

という場面があった。
 私は見ていて、祐実ちゃんは本当はピーマンが好きで食べられて、嫌いなふり・嫌いな演技をしたのだろうと思った。
ところが、パンフレットを買って読んでびっくりした。この場面の裏話が載っていた。
なんと、祐実ちゃん、ピーマンが大嫌いだったのだ。本当は食べたくない、かじりたくない祐実ちゃんだったが、覚悟を決めて撮影に挑んだのだった。泣きたいのを我慢して演じていたと、そのときの気持ちを述べた。かじった後のニッコリ笑顔は完全なる演技だったのだ。
まさに、すっかり騙された! すごい! プロフェッショナル!
まさに執念の演技力! だと思った。
パンフレットを読んだとき、そう思った。
が、さらに続きがあったのだ。祐実ちゃんのすっかりファンになった私はいわゆる追っかけに。彼女の記事やインタビューに注目した。
すると、さらに意外な事実がわかった。祐実ちゃんは、2歳から芸能界デビュー。モデルからスタート、TBS系「学校があぶない」(1992年)など、子役としてブレイク前からテレビドラマ出演していた。
でも、プロ意識がはじめて目覚めたのは「家なき子」だったと言う。それまでは遊び感覚だったと。
すると、ピーマンをかじって見せたのも、プロ意識からはなく・・・、祐実ちゃん自身のお母さんに褒められたい一心からだったようだ。
 いずれにせよ、祐実ちゃんの演技力に驚愕したものだった。
 ちなみに、余談だが、大人になってもピーマンは食べれないと悩む祐実ちゃんでした。(ずっと後になって、東海地方限定のトーク番組で告白してくれたのでした)

 

 

 

いずれも11歳頃の祐実ちゃん。上2枚は映画のワンシーン。

3枚とも「REX 恐竜物語 カルロ・ランバルディの世界」(角川書店)より抜粋