最近のテレビドラマは、見る時に気をつけるべき点がある。
最近のドラマは、もちろん全部ではないが、主人公側が必ずしも正義ではなくなった。
たとえば、いま話題のTBS系「VIVANT」。いま、放送されているシーズン2では、要するに、日本の別班(自衛隊の秘密諜報組織)と中国の別班のような組織・シンシーとの戦いが大きなテーマ。
シンシーがリンチ拷問をやって悪役ぶりを発揮しているが、日本側(主人公側)も五十歩百歩、人権侵害が甚だしい。日本国家のためなら裏切者は抹殺してかまわない、どんな心理的苦痛を与えてでも手に入れたい情報を手に入れる、天才的ハッカー・ブルーウオーカーの太田梨歩を取り込むときも、あなたのこれまでのハッキングに関する犯罪について、裁判で少なくとも執行猶予付きにとどまるように図りますと、主人公・乃木(堺雅人)が発言しているのだ。警察、検察、司法を牛耳っているかのような発言、実際にあったら民主主義が揺らぐほどの大問題となる。
ドラマ自体もスパイ映画のような諜報合戦、いま、国会ではスパイ防止法案の提出と問題点が浮き彫りになっており、美化されている分、有権者に影響を与えるかも知れない。
まだ、大人はそこらへん、割り切って見ることができる。テレビドラマはしょせん、虚構であり、こうなったらいいなという希望、願いでもあり、もしあったらどうなるかという予想でもある。
つまり、つくり話としてとらえれる。
が、子どもや若者は真に受ける可能性が大きい。かっこいいとして見てしまう。考察ブームの代表的作品で若者もたくさん見ているようだ。楽しむだけならいいけれどね。
子どもには見せたくない残忍な場面が多く、夜9時台に放送しているが、10時台以降に放送開始にしてほしかったもんだ。
他にも、フジテレビ系「ブラックトリック~裁きを操る弁護人~」(先月9月28日放送終了)は、インフォーメーションで、罪を逃れるために何でもでっち上げる巨大権力に対して、巧みなでっち上げで対抗。嘘で歪められた真実を、嘘で取り戻す――。悪を持って正義を勝ち取る、新たなダークヒーローの物語を送り出す! ・・・と書いている。でっち上げ、つまり大嘘。主人公役のGACKTさんはでっち上げの天才として描かれる。一方で、バランスを取るために、彼の監視役として、志田未来ちゃんが弁護士役で出演、嘘で固めて情報や証拠を集めるだなんて私には理解できません! と彼を非難し続けるのだ。GACKTさんと未来ちゃんのダブル主演ドラマである。
また、フジテレビ系「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」(2025年)は、いわゆるおとり捜査を専門におこなう特別チームが警視庁内に設置されて・・・、おとりを使った捜査で事件を解決していく若き刑事たちの活躍を描いたドラマ。主人公は森川葵。コメディタッチでクスクス笑える楽しい内容、肩ひじ張らずに気軽な感じで楽しめたが、よくよく考えれば、おとり捜査は違法。なので、警視庁の内部でも反対意見を言う刑事もいるが、最終的に、検証室は出世(?)して、捜査室となり公認となる。
このように、一般的に悪と思われる側が主人公というドラマもけっこうあるのだ。いわゆる勧善懲悪だけでは視聴率が取れない、あらゆるアイデアが求められている事態となっているゆえんであろう