いま最も熱い、お勧めの映画・・・
それが松竹映画「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」。
2年半前に公開された「あの花の咲く丘で、君とまた出会えたら」の続編・完結編だ。
前作品は大評判だった。興行収入45億円突破・・・戦争を扱った映画としては異例の大ヒット、特に若者たちの間で話題沸騰したことが特徴となった。太平洋戦争末期、自ら兵器となって敵艦隊に突っ込んで自爆する飛行機、そこに乗っていた若き少年、青年たち、それが特攻隊。その特攻隊の悲劇というとっつきにくいテーマを、現在からタイムスリップした女子高校生と特攻隊の青年の純愛として描いたことが大きかった。
若い人たちに刺さり、なにより特攻隊の存在を若者たちの間に植え付けた。
それは一種の社会現象となり、その後のNHKの戦争特番にも映画のカットシーンが幾度も使われた。ひとりでも多くの若者に見てもらいたいプロデューサーとしては、映画のワンシーンでもはさむことで呼び水になってくれればという思いだったのだろう。
今回の続編を作者は最初から考えていたそうだが、2年以上かかって、今回の上映公開となった。
私は正直、続編なんて要らないのではと思っていたが、観てみたら180度変わった。続編は絶対不可欠、むしろ、今回がメインじゃないかと思うほどになったので、ここで紹介する。
以下、ネタバレ? いや、そこまでいかないとは思うが。作品の注目ポイント荒いあらすじとはなる。
主演は福原遥、恋のお相手には細田佳央太(ほそだかなた)。監督は新城毅彦(しんじょうたけひこ)。配給は松竹。
特攻隊員・彰(あきら・水上恒司)の出撃を止められなかった百合(福原遥)は現在にもどって7年、彰の意思を継いで高校教師になっていた。彰のことを忘れないでいる百合の前に、臨時的任用教員として大学院生の涼(細田佳央太)が現れる。副担任となり、一緒に働くことになる。
だんだん惹かれていく涼。涼からの告白に戸惑う百合。彰のことを忘れてしまうことへの恐怖、忘れてはいけないという罪悪感から新しい恋に踏み出せない百合がいた。
そんな百合はある老婆と出会う。彼女は45年前にタイムスリップしたときに友達になった千代(倍賞千恵子)だった。このことに気が付いた百合は彼女の住むホスピスにたびたび訪問することになる。お互い言わなくても知らないふりしていても本当は誰なのか分かっている2人、千代は45年前に預かった彰の百合へのプレゼント、ある本をもうためらいなく百合に渡すのだった。そこには、全編を通しての大きなメッセージが書かれてあった。
また、現在の千代は、新しい恋に踏み出せない百合を激しくゆさぶる。45年前、高校生時代の千代(出口夏希)は特攻隊員の石丸(伊藤健太郎)と結婚の約束までする関係であったが、石丸も大空に飛び立ち帰ってこなかった。
その千代は戦後、藤谷林吉(ふじたにりんきち・井之脇海)と結婚し、3人の子どもを育てたと言う。このことを知った百合は石丸さんを忘れてしまったのですか!? と思わず千代(倍賞)を責めてしまう。
自分はこんなにも彰を忘れないでいるのに・・・とわからなくなる百合だった。一度はホスピスを飛び出した百合だったが、やがて、千代(出口)の石丸への愛、林吉への愛の尊さを知り、恋愛に前向きになっていくきっかけとなるのだった。
涼との恋愛の行方、昔の彼氏と新しい彼氏との関係・・・という大きな2つのテーマの他にもうひとつ、大きなテーマがある。
百合と涼のクラスの一人・鮎川紗良(豊島花)はひそかに小説家になりたいと思って、授業中も授業に集中せず小説を書きだす女子高校生。が、そのくせ、応援するよと言う百合に、小説家なんて絶対無理と最初からあきらめているのだった。さらに、そんな鮎川をクラスの女子たちがからかう事件が起きる。自分の夢を簡単にあきらめている鮎川と、クラスメートのささやかな夢を応援するどころか、からかって傷つけるクラス全員の態度に、百合の怒りが爆発する。珍しく怒鳴りだした百合にクラス全員、驚愕するのだった。
タイムスリップして45年前の時代を体験している百合にとって、夢持つことさえ一方的に否定されて命をささげた青年たちがいたことを思えば、夢を簡単にあきらめる現代の高校生たちの態度は我慢ならなかった。百合は涼にも手伝ってもらいながら、ある特別授業を準備して敢行するのだった・・・
つづく (次回は厳選・注目ポイント)