名古屋の鈴木のブログ -2ページ目

名古屋の鈴木のブログ

ブログの説明を入力します。

 主要なメンバーで今シーズン限りで引退を表明しているのは女子シングルで坂本花織、三原舞依、そして樋口新葉(ひぐちわかば)だ。

樋口は8位に終わったが、総合得点203.06で200点超え。万雷の拍手の中、滑りきった樋口はしばらく伏した後、そのままリンクの真ん中で大の字になった。数秒後、立ち上がると、またリンク内観客から祝福された。

「やっちゃいけないとはわかってるんですけど、最後だからまっ、いいかーと。冷たかったですけどね」笑

 女子シングル選手がリンク上で大の字で寝るだなんて、往年のフィギュアスケートファンや関係者からすれば賛否両論、分かれるだろう。

フィギュアスケートは氷上のバレエと言われ、気品ある行動と美意識が求められる。大の字だなんてけしからん! と眉をひそめた人も多いだろう。私も一瞬、目を疑った。

ただ、樋口も理解しててそのうえで、これで最後だから気のおもむくままに動きたかったと言うのも理解できる。女子にとって4分間は過酷以外ない。演技終了後はへとへとに疲れきっているもので、それでも無理して立ち上がり、観客に向かって挨拶ポーズをしなくてはならない。ホントは大の字になりたいのだ。

また、全日本選手権という国内競技であったのも幸運だ。ISU主催でないからそれでいいのでは。

ましてや引退予定の選手なので、大目に見てあげたいものだ

 渡辺倫果が非公認ながら、史上初の快挙を成し遂げた。長年、こだわり続けたトリプルアクセル。

最高難度のトリプルアクセルを1試合3本入れるというこだわりに執念を燃やしてきた。

この全日本選手権でついに達成した。ショートプログラムで1本、フリースケーティングで2本(単独で1本、連続ジャンプで1本)、合計3本のトリプルアクセル。

しかも、3本とも完璧で加点がついた。さらに驚異なことは連続ジャンプのセカンドジャンプを3回転にして跳んだことだ(トリプルトーループ)。

1試合3本は史上初ではない。浅田真央がバンクーバーオリンピックで記録している。でも、真央の場合は連続ジャンプのセカンドジャンプが2回転だった(ダブルトーループ)。渡辺は3回転跳んだ、その点が史上初なのだ。浅田真央を越えたと言える。

真央越えはまだある。真央は19歳だった。渡辺は23歳なのだ。歳を重ねるたびにジャンプの技術は衰える。23歳でやってのけたことがすごいことなのだ。

残念なことは、全日本選手権という場でISU公認大会でないため記録が残らないこと。すべての選手は全日本選手権にピークを持っていく。渡辺もそのつもりで全日本に合わせてきたため、皮肉にも記録としてはとなってしまった。

 総合7位に終わった。トリプルアクセルが完璧でも上位に上がれるとは限らない。ステップシークエンスはレベル4を取れたがスピンはすべてレベル3。他のジャンプも踏切り違反等で減点されて得点が伸びなかった。

現行の得点形式では、ジャンプだけでなく、スピンやステップ、全体の完成度などが大きく問われる。トリプルアクセル3本は体力を大きく消耗させ、その他に集中できないことが多い。女子ではスタミナ面で命取りにつながる。浅田真央は男並みの筋力と19歳の若さでやりきった。が、彼女も演技後半は疲労で失速、他のジャンプを跳ぶ直前でつまづきそうになった。

そういったリスクもわかったうえで、オリンピック代表という夢を捨ててでも挑んだトリプルアクセル3本。成功したことは祝福してあげたい。本人も満足しているみたい。

 仮定の話だが、1980年代以前の旧採点方式(順位点方式)だったら、渡辺倫果は優勝、もしくは少なくとも表彰台に上がれたと私は確信している。完全な相対評価であり、まだ誰もやったことのないことをやったのだから一気に順位が大幅アップしたはずだからだ

 ジュニアの島田麻央が2位に上がった。2年連続2位、4年連続全年表彰台だ。XJAPANのYOSHIKIさん作詞作曲のBGMで演技した。

冒頭のトリプルアクセルは完璧、2つ目の4回転トーループは転倒した。その後のトリプルルッツトリプルトーループ、そしてトリプルサルコウトリプルトーループは無難に決め加点もつけた。

さて、ここで島田の大きな課題に私は気が付いた。情報番組で語られない島田の課題を書いておこう。

このブログ、前回の中井亜美についての記事を思い出してもらいたい。同じジャンプを3回以上跳んではいけないルール、これがまた出てくる。

フジテレビの生中継、4回転トーループを跳んだ直後、ダウングレードの判定でトリプルトーループ扱いとなっていた。が、演技終了後、回転が足りていたとして4回転の基礎点に戻ったのだ。

結果的には良かったのだが、もし、判定が覆らなかったらどうなってたか。トリプルサルコウトリプルトーループのほうのトリプルトーループは3回目となり無得点になるところだったのだ。

跳んだ本人は誰でも、いま跳んだのが認定されるのかダウングレードされるのかははっきりとは分からないもの。転倒したらダウングレードと判断されるリスクを島田は考えないのだろうか、その後の2つの連続ジャンプで、まったく躊躇なくセカンドジャンプをトリプルトーループしているのだ。

いまのは絶対4回転足りてると自信を持っていたからか、それとも、判断力がまだまだ余裕ないのか・・・?

いずれにせよ、島田の桁違いな技術の高さは、この難題が島田だからこそということからもわかる。

連続ジャンプのセカンドジャンプ、女子のほとんどは2回転で済ます選手がほとんどで、3回転跳ぶにはよっぽどの体力と精神力を必要とする。が、島田はまるで当たり前であるかのように、すべて3回転なのだ。

この技術の高さで、演技終了直後の技術点速報値は驚異の80.62。3回重複の罰則つきでも80点超え! 坂本花織の78.44をはるかに超える技術点(その他の選手は70点台前半以下)。

最終的には4回転認定に戻ったため、86.70まで上がった。

 もうひとつ、今回、島田の成長が見られたのはステップシークエンス。シニアに上がれないのか上がろうとしないのか、どっちか知らないが、ジュニアでいるリスクは大きい。実はジュニアではステップシークエンスの得点がないのだ。なぜ無いのかまったくの謎、不可解なのだが、だから島田は全日本でいつも初めて審査されるのだ。昨年まではレベル3の判定だった。が、今年は最高評価のレベル4を取れた。スピンもすべてレベル4。コレオシークエンスもこれはレベルは無いが1.36という高いGOE(出来栄え点)がついた。一方、演技構成点はまだまだ低い(最終グループ内最下位)。そこが彼女の課題・伸びしろだろう。

 以上のように、判断力と演技構成点に課題があるが、それ以上に高い技術点には目を見張る。

島田も、わざわざ4回転ジャンプ、跳ばなくてもいいんじゃないかと思った。私は女子シングル4回転ジャンプ反対論者だが、島田麻央だけは特別に許してあげようかなと思っていた。が、今大会を観て、4回転なんかなくても十分すぎるほど技術点を稼げることに気が付いた。

女子の右足には過酷すぎる4回転ジャンプ。けがのリスクが大きい4回転、島田が4回転ジャンプにどこまでこだわっているのか知らないが、もし、そんなに無いのならシニアに上がる来年からはやめたほうがいい。周りのコーチも島田の健康に責任もって接してもらいたいものだ