(前回のつづき)
TBSドラマ「アンチヒーロー」主演の長谷川博己さん。今回は殺人犯を無罪にしてしまうダークな役。その裏には何があるのか。
何を考えているのかわからない不気味さを出すために、長谷川さんは服装から仕草までこだわって表現する。
髭を生やし、じろっと見つめる無機質な表情で表現
トレンチコートで身を包み、まっすぐな姿勢で飄々と歩く。手をポケットに突っ込んだまま歩くことで、威圧感を出している
けっして脅してはいない。が、低くゆっくりとした声で言うことで、有無を言わさぬ論理と威圧感で相手を追い詰めていく。交渉を有利に持っていく
普段の長谷川さんはもちろん威圧感などない。優しくて笑顔も素敵な俳優さんだ。
が、演技に入れば自分を捨てる。その役になりきって、その役のたたずまいを作り上げるのだ。
そう、演技力とは雰囲気づくりなのだ。明墨正樹(役名)が来れば空気が変わる。緊張感が違う。我々視聴者は、俳優さんたちの作り上げる世界観を楽しんでいるのである