世界選手権2024 2 坂本花織 2 SPの連続ジャンプを意地で跳びきったからこそ | 名古屋の鈴木のブログ

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(前回のつづき)
  坂本花織が3連覇できた・・・いや、細かく書けば、
今年、優勝できた最大のポイントはどこか?
それはショートプログラムの後半の連続ジャンプだ。

全日本選手権からだいぶ空いた。試合が無さすぎて勘がにぶるんじゃないか・・・?  私はそこを心配していたが不安が的中してしまった。
ショートプログラム。冒頭のダブルアクセルはなめらかに跳び、高いGOEがついたが、続く単独ジャンプのトリプルルッツは着氷が乱れた。GOEがいつもなら2点台までつくジャンプがマイナス1点台となった。つまり、普段の得点より3点近く失ったということだ。これ大きかった。ちゃんと、いつものように跳んでればショートプログラム2位で終わっていたのだ。
そして問題の後半の連続ジャンプは・・・、
連続ジャンプのトリプルフリップ・トリプルトーループは、フリップの時、軸が後ろに行き過ぎてしまい、なんとかこらえてトリプルトーループを跳んだ・・・という出来だった。
スピンはすべてレベル4だったが、ステップシークエンスは、途中、つまずきそうになってバランスを崩し、レベル3に落とした。坂本らしからぬスケーティングだった。
それでも、4位に踏みとどまったのは、ガタガタなれど、課題をきっちりやり遂げているからだ。
 ショートプログラムでは、何が一番重要かと言うと、7つの課題をしっかりやったかどうかだ。7つとは、3種類のジャンプ、3種類のスピン、ステップシークエンスの7つのこと。そのうち、ジャンプは、①単独ジャンプ、②連続ジャンプ、③アクセルジャンプの3種類。
現行のルールでは、シングルジャンプは跳べても0得点、連続ジャンプは、どちらか一方は必ず3回転でなくてはならない・・・という厳しい規定が付いている。
坂本は連続ジャンプのフリップのとき。軸が後ろに傾きかけた。
やばいと思ったが、ここで跳ばなかったら人生終わるという気持ちで意地を見せ、転倒を回避、トリプルトーループを跳びきった。
まさに意地だった。もし、あきらめてトリプルトーループを跳ばなかったら・・・、あるいはフリップ着氷直後に転倒していたら・・・、4位で済まされなかったはずだ。おそらく8位前後、最悪10位まで落ちただろう。そうなると、いくら坂本でもフリーだけで1位の得点まで上げることができず、優勝できなかったはずだ。
「フリップのとき、後ろに軸が行き過ぎちゃって、まずいって思ったけど、これを跳ばないと自分の人生終わるわってぐらいで、もう何としてでもっていう気持ちで跳びました」
「フリーはこの悔しさをバネに、シーズンの最後、いい締めくくりで終われるように頑張りたいと思います」

試合後のインタビューでそう言った坂本は、有言実行、フリーではほぼ完ぺきなスケーティングを見せ、観客は総立ち、リンクは歓喜に包まれた。その盛り上がりの雰囲気が、ライバルたちの気持ちに焦りを生ませ、ミスを誘っていった。誰も、坂本の迫力ある滑りについていけれなかったのだ。こうして4位からの奇跡の逆転優勝となったのだ。
 では、坂本の意地はどこからきているか、3連覇を支えたある思いとは  次回
    つづく