2月9日、東京商工会議所の渋谷支部で「ウィルス災害対策BCPセミナー」を行いました。緊急事態宣言中なのでZOOMで行いました。
新型ウィルス災害のBCPは、その災害の様相が自然災害とは全く異なります。何といっても数年単位の長期にわたり、被災というよりは経済的に追い詰められていく災害です。それゆえ、事業が縮小・停止するメカニズムも異なります。
自然災害では、短時間の間に被災して事業資源を失い、その結果事業が縮小したり停止します。
しかし新型ウィルスでは、
①事業所内で感染者が発生することで営業が中断する
②サプライチェーンの業務が縮小して自社の事業も縮小する
③社会経済活動の縮小により需要が減少する
④経済活動への制限要請(緊急事態宣言発出など)による売上減少
というようなことで、事業が縮小していき資金繰りが難しくなっていきます。
こうなると、BCPのアプローチも全く異なってきます。
自然災害のアプローチは、
①平時の防災・減災対策
②発災直後の対応
③停止した事業の復旧
となり、シンプルです。一言で言えば「元に戻す」というアプローチです。
一方新型ウィルス災害では、「維持して変容させる」というアプローチになります。
短期的には事業所の感染対策に取り組む必要があります。この時、事業所内の衛生確保、業務手順・働き方、サプライチェーン対応の3つのポイントで考えると良いでしょう。
中期的には、数年間の災害状態を生き延びるために経営の維持が課題となります。
そして長期的には社会や経済などの事業の外部環境が大きく変わるため、自社のビジネスモデルを変革することが課題となります。
いわゆる「POSTコロナ」とか「POSTウィルス」と言われる変化です。POSTウィルスの世界についてはまた別に書きたいと思います。