小さな出会いから | nagarenotokiのブログ

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四季折々、自然の姿に感じること


ある日 診察の順番を待っている私の耳に
赤ちゃん連れのご夫婦の会話が聞こえて来た
「え!心臓に雑音?なんで?」と問いかけるお父さん
「金曜日に 精密検査を受けなさいって・・・」とお母さん
二人ともしゅんとして うつむいている
その気持ちが 痛いほどわかった
私の診察が終わると すぐに
その夫婦に 話しかけた

さっきの会話を耳にしていたこと
私の次男も 心臓病を背負って生まれて来たということ
当時は難しい心臓手術だったけれど 
今はとても元気にしていること
心臓病の子供さんを持つ方と 交流が持ちたくて
同じ思いの親御さんと 会を作る活動を始め
今 その会は何十人もの会員のいる会に発展していること
それを聞いて そのご夫婦は
とても勇気付けられたと言われた

そして 3人(私も入れて)で検査結果が
異常なしであるように まず祈りましょう
もし 心臓病だと言われても不安がらないように
前向きであるように 私も支援したいと
おせっかいな感もある私の申し出に
ご夫婦は 明るい顔になられて
何度もお礼を言われながら お別れした

お母さんから 待っていた電話がかかって来た
うれしそうな声で「精密検査は異常なしでした!
心臓の血管が細くて 雑音があるけど
そのうち雑音は消えるだろうって言われました」との報告に 
私もホッと胸をなで下ろした

そういえば 私も同じ病院で
生後1か月の次男の心臓の精密検査を受け
病名を宣告された時 あまりのショックで
待合室で 涙を止めることが出来なかった
そんな私に やさしく声をかけてくれたおばあさんがいた
「うちの孫も心臓病だったんですよ
でも とても元気になったから大丈夫」と
その一言が 今も忘れられない
思えば どれだけの人のお世話になって来たことだろう
少しでも 自分に出来ることはお返ししたい・・・
そんな気持ちでいる

次男は胸に大きな手術痕はあるものの 元気に成長した
小学4年生の時 「まあちゃんの物語」という
作文を書いた
2歳で受けた心臓手術についても 書いていた
心臓手術後 ICUにいる時
私との面会時間を どんなに楽しみにしていたか
鮮明に記憶して 書いていた
今 次男は2人の子供の親となっている

このご夫婦との出会いから 
次男をめぐる たくさんの事を 
心に呼び起こしている