小さなお日様のように
野で輝いていたタンポポたち
どの子も揃いも揃って 姿を変えた
花の寿命は短い
花は歳を取ったということなのだ

でも たくさんの子供たちが
命を引き継ぐ
柔らかな綿毛を持った 落下傘のような子供たち
風が吹けば 仲間にさよならを告げて
ふわりと空へと舞い上がり
気ままな旅に出る

やっぱり野に着地する子
山に着地する子
海岸べりに着地する子
街角の アスファルトの隙間の
ほんのわずかな土に着地する子
その地でまた 花を咲かせる
そうやって旅立っていく綿毛たち
もう二度とここへは帰らない綿毛たち
夕暮れの野で 私はじっと見つめていた
