
https://www.youtube.com/watch?v=8tp3ts2ikMw
ここに 水木しげるについて
端的に書き表された文章がある
彼の死を惜しみつつ 1人でも多くの方に
読んでいただければと願い 書き写すこととする
12月1日日本海新聞 海潮音より
「自然は時代や人間に関する事なく依然として美である」。今夏公開された水木しげるさんの「出征前手記」の一文に、命の源である自然への畏敬が感じられる。20歳の青年の心の言葉は、後に妖怪を通して人間社会を風刺する作風を予見させる。
出征したラバウルでは生死の境をさまよい左腕を失うが、書き物で振り返る記述は憤りをオブラートに包んで軽妙だ。精霊を信じる現地人と親しくなり、彼らの暮らしに「大自然にとけこんで生きる」天国を見た。
天賦の才は40歳を過ぎて花開く。赤貧の時代を乗り越えてヒット作を次々と世に送り出した。昭和の漫画を代表する「ゲゲゲの鬼太郎」は妖怪文化の礎といえる。
語録も懐かしい。「『好きの力』を 信じればいい」「少年よ頑張るなかれ」。競争や効率を強いがちな社会で、肩の力を抜いて、視点を変えて日々と向き合えば新しい世界が開けるかもしれない。そんな感慨を抱かせるウィットの数々がある。
きのう、境港市の水木ロードを歩く観光客は水木さんへの哀悼の意を口々に語った。全国級となった名所のにぎわいは、かけがえのない水木さんの遺産だろう。できれば新装なったロードで一言いただきたかった。