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ご報告

ここ数ヶ月間、自問自答し色々と考え抜いた末、今期監督招聘の責任を取りFC琉球退団を決断させて頂きました。
シーズン前、色々と反対意見があった中で昔の戦友という個人的な思いにより、反対意見を強引に押し切り薩川監督を推薦招聘させて頂きました。
結果は昨年度を大きく下回る成績であり、また選手、関係者からの不満を日々耳にしシーズンを通しチーム力低下を身をもって感じる毎日が続いておりました。
自分自身、推薦招聘した責任は非常に重く、推薦招聘した立場の人間として責任を取らせて頂きたくべくオーナーに退団の意向を伝えさせて頂きました。

2007年シーズン、ヴェルディJ1昇格という大役を終えた後、2008シーズンよりFC琉球に入団させて頂きました。
榊原オーナーの粋な計らいのもと、毎年背中に自分の年齢を背負いプレーしてきました。
37番でスタート、5シーズンが過ぎ、42番で今シーズンプレーさせて頂きました。
おかげさまでコンディションも良く自分自身のパフォーマンスとしましては大方満足のいく今シーズンでありました。
日々のトレーニング、また居残りで共にトレーニングしてきた心ある選手達との時間は大変楽しく有意義な時間でした。
プロとして一切妥協する事無く、カテゴリーはどうであれ常に志高く理想のサッカーを追求してきました。
上のLevelを知る人間が現状に甘んじ妥協し、おかしな事に厳しく意見、指導しない事は簡単であり非常に楽な事である。しかしそれではチーム力向上を真剣に考えた際、実は何のプラスにもならない。気付いている人間が問題を見過ごす事は罪である。
要領良く立ち振る舞い生きていく事は世の中に於いては必要なのかもしれない。
しかしながらプロの世界、ピッチ上に於いては必要無い。裏表無く、真剣に真摯に取り組む人間がキチンと評価されるべきだと思う。

プロ選手として22年、常に称賛、批判される厳しい世界で生きてきた。
JのチャンピオンチームからJFLのチームまで全てのカテゴリーでプレーしてきた。
どんなチームが成功し、どんなチームが衰退するのかも身をもって体験してきた。
世界Levelの監督、人間的に尊敬出来る情熱溢れる監督、カメレオンみたいな監督まで色んな指導者もみてきた。

全ての経験に基づき、いつの日か琉球をJで誇れる夢のあるチームにしたかった。

志半ばで琉球を離れる事は残念ではありますが自分自身のサッカー人生もまだまだ続くし琉球の未来もこれから続く。

J3入りが承認され、形的には悲願のJ入りとなりました。長きに渡り琉球を支え続けた榊原オーナーはじめ御尽力された関係者の方々には心からの感謝であります。
正直色んな面で内情は厳しく大変厳しいスタートとなりますが、沖縄の誇りであり宝になるべくFC琉球を今後とも御支援宜しくお願い致します。
J3.J2.J1と昇格、成長していくFC琉球を楽しみに見守っていきたいと思います。

最後にこれまでご声援頂いた心あるファンの皆様、心あるサポーターの方々、共に汗を流した心あるチームメイト、心あるフロントスタッフ、関係者の方々にこの場を借りて深く感謝申し上げます。本当に今まで5シーズン有難うございました。

サッカー人としてサッカー道の追求は続く。

感謝。

FC琉球 42 永井秀樹

vs ツエーゲン金沢

アウェイ金沢戦。

前半だけで5失点。0-5完敗。
ゲームを全く支配出来ない状況下では、このようなゲーム展開になっても何の不思議も無い。
むしろ、神様仏様森本さんの好セーブが無く、後半も前半同様のゲーム内容であったら二桁失点になっていても全然おかしくないゲームだった。

とにかく残念で情けない限り…。
これ以上ブログUPする気分にもならない。


謙虚にsoccerと向かい合わなければならない。

問題山積みではあるが、残り僅か4試合。少しでも誰もが納得し満足出来るsoccerを。このチームの未来の為に…


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名将訪問

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先日、OFFを利用し尊敬する名将を訪ね、じっくりsoccer論を聞かせて頂き勉強させて頂いた。

エスパルス時代、大変お世話になり、コーチ、選手という立場で共に戦いナビスコcup優勝のタイトルを勝ち取った、現.京都サンガ監督の名将.大木監督。
当時、ほぼ毎日居残りでシュート練習等に付き合って頂き指導して頂いた



ポゼッションsoccerに拘る“独自の哲学”を持ち、ピッチで実践し高い評価を得ている大木さん。

前日本代表監督の岡田さんが大木さんのポゼッション哲学、攻撃のアイデア等々を高く評価し、南アフリカWORLDcup日本代表コーチに招聘したのは有名な話だ。
ディフェンス出身の岡田さんが、専門分野ではない攻撃、中盤あたりのアイデアを、大木さんに求めた岡田さんの謙虚さ、器の大きさも素晴らしいところではあるが(「俺は何でもわかってるよ」と専門分野では無い範囲まで指導する自信過剰の人間もいる中で、日本代表監督という立場になっても謙虚な姿勢でいられる素晴らしさ)、そこで求められる大木さんの能力もやはり素晴らしい。


大木さんが京都の監督になられてから京都の試合を頻繁にテレビ観戦しているが、自分の理想のsoccerに近く、いつも勉強になる事が多い。
パスが必然的に繋がり、ボールを支配し続ける事が出来る適正なポジショニングと距離感。
京都というか大木さんのsoccerはこのあたりが完璧だ。
実際大木さんに話を聞いてみると「ボールを繋ぐ為には選手の距離が近くなければならない、そしてボールを繋ぎ保持する為のトレーニングを数多くやらなければ実際には出来ない」との事。
まさにその通りだと思う。
更に大木さん言わく「流行り言葉のように皆“距離感”と言うが、実際のトレーニング中からボールから“何メートル”に寄る、味方同士の距離は“何メートル”に、というように具体的な数字を伝えながら指導しなければチームとしての“距離感”は伝わらないし落とし込めない」との事。
これもまさにその通りだと思う。距離感、距離感と皆で叫んだところで実際各々の距離感は違うし感じ方、イメージが違う。
具体的な数字を伝え、細かくコーチングし指導していく中でチーム全体としての距離感が共有される。
大木さんが拘る“ボール保持者を中心に極力近く”という考えも充分理解出来るし大変勉強になった。ボールが回らないチームは、だいたい選手間の距離が遠い。
酷い時にはボール保持者から「離れろ」というコーチングもある。
20~30メートル離れた距離で正確にパスを出せる技術の確率がどの程度か。最低8割を越える成功率で考えていくと5メートル以内が妥当だろう。もっと確率を上げるには2.3メートル以内。ボール保持者を中心に3人は2.3メートル以内の距離感でボールを受けれるポジショニングを取り、相手を引き付け集結させて、逆サイドに展開し相手の手薄なところを攻撃していく。コンパクトにそしてワイドにだ。


そして今回もっとも驚きだったのは京都サンガは年間通して全くフィジカル(素走り、体力トレーニング)をやらないという事。
確かに今までの自分の経験からしてもJ1チームはそれほどフィジカルでの負荷をかけない。週末の試合に如何にベストコンディションでのぞめるかがポイントなので素走り等はほとんど無い。
大木さんの考えではフィジカルは全く必要無いとの事。これは独自の理論なのかなと思い詳しく訪ねてみると、医学的な角度から考え判断してるとの話で循環器系等専門のdoctorから細かく指導を得ているとの事だった。
「フィジカルする時間があったらボールを使ってトレーニングしたい、アップの時間も勿体無いくらいだよ」と笑う大木さんの信念は改めて素晴らしい。

裏表の無い人間性、soccerを徹底的に追求する姿勢、指導者としての哲学…
改めて今回色んな話をさせて貰った中で、何故大木さんが日本代表コーチにまで登り詰め、また色んなJクラブから常に求められるのかが充分に理解出来た。


当日、初めて京都サンガのトレーニング施設を訪問させて頂いたが素晴らしき環境だった。
そして更にチームスタッフの方々の気遣い気配りが完璧で感心させられた。
おかげさまで大変有意義な素晴らしき時間を過ごす事が出来た。
改めてこの場を借りて感謝の気持ちをお伝えさせて頂きたい。


最後に今回感じたチームの“一体感”というモノ。
チームスタッフの方々、選手、関係者と話した中で皆が口を揃えて同じ事を言っていた。「大木さんのsoccerをやり続けたら絶対チームは良くなるし間違いないです。」と。

確実にチームが同じ地図の元、同じ方向に進んでいる。

そして大木さんの言葉「選手がもしピッチで駄目ならば、それは俺のせいだ。ピッチに立ってる選手は自分の鏡だよ。」と。
実に勉強になる深い言葉だった。

これからも京都のsoccerを注目したいと思うし“大木イズム”を学ばせて貰いたい。


追伸.久々昔の戦友である森岡隆三(現.京都サンガコーチ)とも少し話が出来た。topレベルの経験を是非若き才能ある選手達に伝え高いクオリティを持つ“第二の森岡隆三”を作って貰いたい。


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vs ブラウブリッツ秋田

ホーム沖縄でのvsブラウブリッツ秋田戦。

前期アウェイ秋田での戦いに続きsoccerの質、内容で完敗。
数回あった完全な決定機を神様仏様森本様がスーパーセーブしてくれたので何とか引き分けで終わる事が出来たが、決められてたら普通に1-3あたりの敗北となったゲームだった。
スコア、勝ち負けよりも、やはりsoccerの質、内容で完敗なのが大きな問題だ。
ピッチコンディションの問題もあり前期アウェイの前半と比べると、この日の秋田はミスが多少出て少し精度が落ちていたように感じた。それでもsoccerを良く理解しているNo.8熊林選手を中心に前期同様全くブレる事なく、ボールを大切に保持し主導権を握る素晴らしきジョージさんのsoccerを展開していた。琉球は本来ボランチである守備職人小寺を前線に配置し、狩猟犬の如く前線からプレッシャーをかけボール奪取を試みたが、試合後、秋田の選手達そして監督であるジョージさんが言ってた通りでボールを回すチームにとってはある意味思うツボであり、献身的に頑張った小寺もさすがに前半で疲れ果てていた。


これは非常に難しい問題であり考え方の問題となるが『ボールを奪われないようにして相手を走らせるか』、『ボールを奪う為にひたすら走り回るか』大きく分けると二通りになる。
前者の考え方でsoccerを考えるならば、とにかくボールを奪われない為の精度を上げる事に全力を尽く努力していけば必ず成果は出て結果は自ずと付いてくる。
後者の場合は自分達に主導権が無い段階で他力本願、相手のミス待ちとなり、ボールを奪う為のディフェンスの時間が長く体力勝負となる。
全盛期のヴェルディ、ジュビロ、現在のバルセロナ、バイエルン。ボールを保持しボールポゼッションで相手を圧倒し主導権を握るsoccerのお手本となるチームの代表格。
だいたいの展開に於いては、前半相手チームがプレッシャーをかけボール奪取に奔走し、後半体力の消耗と共に押し込まれ崩され失点し敗北。勿論稀に相手チームがカウンターから得点し怒濤の攻撃を守りきり勝利するという事もある。
勝ち負けの世界に於いて絶対に勝てるという保証は無いので確証は無いが、かなり高い確率で、さきほどのお手本の代表格のチームが勝利してきたし現在も勝利し続けている。

凄く解りやすい最近のお手本としては現在UAEで行われてるU17world cupを戦ってる日本代表チーム。先日のチュニジア戦では相手チームがマンツーマンで立ち上がりからプレッシャーをかけ続け、ボール奪取にくる中、ボールを保持し主導権を握り続けた結果、後半相手選手の殆どが疲労困憊で足がつる状態に。そして楽々崩して勝利。まさに理想的な展開だった。
96JAPAN監督である恩師.吉武先生とは常日頃soccer談義を重ね研究を続けている。
目指すsoccerの方向性が間違ってない事を世界の舞台で証明してくれてる事を大変嬉しく思う。


現在の琉球のコンセプトである“守備からのカウンターsoccer”を高めていくには、まだまだ解決していかなければならない問題が多々ある。例えば秋田戦であれば、小寺が前線からプレスをかけていく時に全ての選手が連動してなければならない。前線からボールを奪えれば確実にチャンスにはなる。しかしながら数的不利な状況で単発的なディフェンスを繰り返しても効率良くボールは奪えない。いつ何処でどのタイミングで、グループでボールを奪うかを高めていかなければならない。
そしてボールを奪ってから何がしたいかをグループで考えイメージを共有していかなければならない。
ロングボール、縦一辺倒ではlevelの高い優れた守備組織は崩せない。相手ディフェンスの位置を見極め的確な判断のもと手薄な場所を探し崩していかなければならない。
更に大切で重要なポイントは『時間を作る選手』と『時間を使う選手』の意味を理解する事。
実際、秋田戦に於いて琉球が唯一相手を崩せたシーンであり、得点に繋がった場面は、中央でガナが高い技術力で相手を交わし引き付け『時間を作り』相手DFの手薄なスペースを見つけ走り出したシュンタがボールを受け『時間を使える』状況で中央にいる棚橋にパス、秋田DFの予測力が上回っていたらクリアされていたが運良くフリーな状況でシュートしゴールとなった。
『時間を作り出す』為にボールを繋ぎ『時間を使える』選手が縦パス、ラストパス、シュートを選択する。
ゲーム中、良い展開の時はこのあたりがスムーズに行われている。逆に判断、選択を誤ると停滞する。
質の追求というのは、このあたりが重要となってくる。

ゲーム中チームが一丸となるという事は所謂全てに於いて“共鳴”するという事。
残り試合、少しでも“共鳴”する時間が増え、チームとして質の追求に取り組んでいけたらなと思う。


明日はアウェイ金沢戦。厳しいゲームになるとは思うが現況での皆の頑張りに期待したい。


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vs 横河武蔵野FC

アウェイ西が丘での横河武蔵野戦。

スコア以上の力の差を見せつけられ完敗。とにかくやってるsoccerの質、完成度が全く違う大変残念なゲームだった。

相手チームはキチンと狙いを持ってsoccerをplayしていた。ただロングボールを蹴る訳ではなく、しっかりボールを引き出し角度をつけて、前線にボールを入れ中盤がサポートし展開していく。
確実に戦術の上で成り立っている展開、攻撃になっていた。

FC琉球。相変わらずの課題ではあるが、とにかくボールを保持する時間が少なく、ゲームを支配する事が出来ない。
世界のtopレベル、例えばバルセロナの中盤の選手あたりになると一人あたり平均100本あたりのパスを供給し成功率は90%を超える。
琉球の選手のパス供給数はおそらく中盤の選手で一人あたり30本程度。成功率は60%あたり。これでは正直厳しい。

ボールポゼッションの意味を正確に理解し同じ理解度で皆が“共鳴”しなければ、ゲームを支配出来るまでのポゼッション率には中々ならない。
時間とスペースが制限される現代soccerにおいて、時間を作れてタメを作れる選手が重要になるし、スペースを見つけ出し飛び出せる選手、パスを出せる選手が必要となる。
現況では、このあたりは削除した形で、ディフェンスからのカウンター狙いがチームのコンセプトになっている。
神様仏様森本様が好セーブを連発し、ディフェンスの柱であるユウキを中心に90分守り切り、シュンタ、ガナ、ゴンあたりがカウンターからゴールを決める事が出来れば勝ち試合になる可能性はある。

明日の対戦相手であるブラウブリッツ秋田。
前期アウェイ秋田で戦った時の前半はお見事な完璧なsoccerだった。相手チームながら素晴らしきsoccerに久々感動させられた。
元琉球監督でもあるジョージさんとの再会含め明日は実に楽しみなゲームだ。



最後に恩師.吉武監督率いるU17日本代表の話を少々。
ヨーロッパチャンピオン.ロシアとの開幕戦、ポゼッション率65%超えて見事勝利。早速電話で色々話したが、いつも通りのブレる事なきsoccer論だった。
常識を打ち破る吉武magicに期待したい。


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