本部御殿手独特の練習方法について | 本部御殿手  如是我聞 如是我見

本部御殿手  如是我聞 如是我見

琉球王家の一つだった本部家に秘かに伝承された本部御殿手 多聞館のブログです。
ブログは”私はかくの如く聞き、かくの如く見ました”という内容です。


上原先生の著書である「武の舞」には先生が本部朝勇先生に入門してからの鍛錬法や

練習方法の過程などを紹介してありますが多聞館のHPにも簡単にそれらを記載してあります。


http://www.geocities.jp/gogocolitis/gamon.html


この記載内容が全てではなく主なものとなっていますので興味のある方はご覧ください。


この他にも鍛錬法が行われていて、その中には石垣を上る訓練もあったそうです。

その話を聞いたときは(はぁ?)と思いましたがロッククライミングの日本チャンピオンの練習を

TVで見た時に(あっ、これだ! 先生の話していた内容と似ている!)と思いました。



上原先生の話を聞くと手の指の3本をかなり鍛えたような印象を私はもっています。

あと跳躍による足を鍛えていて両壁(壁と壁の間は両手の肘を曲げて届くくらいの距離)に


両手・両足を若干曲げた状態で蜘蛛のように張り付き、両手をパッンと打つと同時に

両掌で壁につき、その時両足も一緒に壁についていく~ という風に上るという訓練もあったそうです。


文章にすると訓練の様子が示しにくいのですが、これは腕の力や足の力などが無いと

とてもできるようなものでは無く先生はやり方をジャスチャーを交えて話して下さったので

私は理解できますが話を聞いたときは(まるで忍者のようだな。)と思いました。




本部御殿手の鍛錬法や練習方法はこのように多彩で独特なものがありますが、

しかしながら「その場 突きや蹴り」というものはありません。


数日前にある方から「本部御殿手には、その場突きや蹴り という練習法はありますか?」という

メールでの問い合わせをいただきましたが、そういう練習法はありませんと答えました。



本部御殿手の鍛錬方法や練習方法を読んで頂けると分かる通り全て動きながら行うのです。

止まって行う、ということはありません。


突きや蹴りは前進しながら又は歩きながら横に跳びながら行うのです。


「その場 突きや蹴り」という練習は無く、唯一その場で行うものは四方蹴りぐらいなもので

私達は、その四方蹴り(前後左右に蹴りを行う)も棒蹴りで行うということをやりました。



身体の鍛錬方法や練習方法を見れば何をめざさせようとしているのかが分かると思います。

本部御殿手はあくまで動く相手を想定し身体の四肢全体を鍛えるのだと考えられます。


練習方法の中には一般の弟子には教えていない方法もあります。

ただし、一部の門弟には上原先生は教えていました。