6月15日(土)、N響第2014回定期公演(6月Cプロ定期2日目)を聴きにNHKホールへ。
残念ながら今回で最後となる13時15分からのCプロ定期限定「開演前の室内楽」は、
甲斐雅之(フルート)・水谷上総(ファゴット)・早川りさこ(ハープ)によるジョリヴェ/クリスマスのパストラール。
水谷さんの愉しい話と平易な解説を挟みつつ、「星」「東方の三博士」「聖母子」「羊飼い達の入場と踊り」の4曲から成る洒脱で美しい世界を味わいました。
14時00分からの本公演は、沖澤のどかの指揮によるフレンチ・プログラム。
まずは、イベール/寄港地。
第1曲「ローマ~パレルモ」冒頭の精細な美しさと後半の華麗さ、第2曲「チュニス~ネフタ」の異国情緒(オーボエの吉村首席のソロが絶品だった)、第3曲「バレンシア」の終盤の熱狂、そして全体を通しての南国的な晴朗さの表出が素晴らしいものでした。
続いて、デニス・コジュヒンをソリストに迎えてのラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲。
重厚さと繊細さ、暗と明といった相反する要素の織りなす重層的で複雑な性格をコジュヒンと沖澤&N響がスケール大きくかつ緻密に描き出し、とりわけコジュヒンの弾く終盤のカデンツァは圧巻でした。
ソリスト・アンコールのシューマン/トロイメライも知情相まった好演でした。
最後は、東京混声合唱団が女声合唱に加わってのドビュッシー/夜想曲。
第1曲「雲」のデリカシー、第2曲「祭」の小気味良い運動性、第3曲「シレーヌ」のたゆたうような神秘性が良く表現されていたと思います。
沖澤の実演を聴いたのは今回が初めてでしたが、ソノリティへの絶妙なバランス感覚が高評価の所以かと思いました。
反田恭平人気でチケットが完売となった前週の第2013回定期公演に比べると流石に空席はちらほら見受けられたものの、
それでも期待の沖澤のN響定期初登場とあってか、まずまず盛況の公演でした。
クラシックランキング