初めて聴いた小品でしたが、清澄さと甘美さを原田がN響から豊かに引き出していたと思います。
続いて、反田がソリストを務めてのピアノ協奏曲。
この曲を聴いたのは、30年位前の東響の演奏会に於ける羽田健太郎と大友直人による演奏、そして2018年12月のN響第1900回定期公演に於けるアンドレイ・コロベイニコフとアレクサンドル・ヴェデルニコフによる演奏に次いで3回目。 第1楽章の噎せ返るようなほの暗いロマンティシズム、第2楽章のデリカシー、第3楽章の哀愁を忍ばせた華麗さが、反田の安定したソロと原田&N響の細部に至る迄行き届いた演奏により表現されていました。
ソリスト・アンコールのショパンのマズルカは素朴さを感じさせる佳演でした。
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…ところで、ソリストに対して無礼が過ぎるとしばしば批難の的となる、原田がソリスト・アンコールの際に指揮台に腰掛けロダンの「考える人」よろしく肘を脚に突き顎を拳に乗せて聴き入る姿、今回は私の座席からはピアノの蓋に遮られて原田の上半身は見えませんでしたが、やはりまた同様の姿勢だったのでしょうか。少なくとも肘突き&顎乗せは私も好ましいとは思えないのだけれど。
後半は、交響曲第2番。
この曲を聴いたのは、2017年9月のN響第1865回定期公演に於けるパーヴォ・ヤルヴィの演奏以来。
原田の指揮のもと、全体的に弦そして木管のソノリティが活きた演奏で、とりわけ第3楽章の美しさと第5楽章の高潮感は傾聴に値する出来栄えでした。
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