週末は家にこもってテスト勉強。
(記憶、ずっと記憶、一生記憶...)
(引っ掛け問題、時間の無駄。)
窓の外を見た。
外は気持ちよさそうな晴天。
(あっ、集中がちょっと、)
外は。
(ふぅ~)
(やめようかな....)
(遊びにいったら....)
(あきらめた。)
(よし、遊びにいこう、テスト勉強なんかまったく無意味)
その瞬間すべてからの解放感がやってきた。
道玄坂を歩いていく。
たばこのけむり、におい。
車の排気ガスのにおい。
きつい香水の匂い。
(うぅ....)
109で上からフロワーを回り洋服をみる。
とくにガーリー系。
(かわいいのほしい)
センター街通りへ、ラーメン屋さんのいいにおい。
突然、行くてを塞さがれ目の前に名刺。
「モデルやりませんか」
「やりません」
「じゃ名刺だけでも、はい」
(のんびり歩きすぎた)
繁華街を抜け、静かな住宅街へ、どの家も
お金持ちが住んでいるような家だ。
代々木公園まで来た。
緑のにおい。
噴水広場を回りベンチで家から作ってきた
お弁当を食べた。
竹下通りへ。
ゲーセンに入り人がやっているクレーンゲームを
見る。
(もうちょっと右、早すぎる、取れないな)
クレープ屋さん、たくさんのメニュー、
(美味しそう)
大通りを左へ曲がって、新宿方面へ。
(歩いてかえろうかな)
しだいに日が陰り夕闇が降りてくる中、
美那は歩道を歩いて行った。
(昨日はたくさん歩けてよかったな)
登校。
配られたテスト用紙を目の前に大後悔。
(一問も解らない、とにかく回答を
埋めなければ、解りそうな問題から....
留年はヤバイ、).....
(とりあえず全部埋めた、やった)
(二度とテスト前に遊ぶのはやめよう)
(しかし2度目の解放感)
(好きなものを食べよう、そしてしばらくぶりに、
仮想現実世界へ、私の世界へ)