学校。
楽しくない学園生活。
廊下でまたあの女の子とすれ違う。
俯き加減。
今日もでかいカバン。
(ニコッ)会釈、
(えっ)
一瞬過ぎて対応不可。
何だろう、ただのあいさつか。
教室。ひとりの世界。
気が付くと窓ガラスを眺めていた。
脳みそ停止中。
昨日の残像が浮かぶ。
階段から落下、赤い血、
家の天井。
気が付くと午後の日差し、
もう授業終わっていた。
いつの間にか山の手線、
いつの間にか渋谷、スクランブルラウンジ。
ちょっとドキドキ。
思いきってドアを開け、侵入。
まったく同じ見慣れた店内。
「お1人様ですか?」
「はい」
窓際の席に案内してもらった。
パンケーキと紅茶のセットを注文。
茶色のレトロ調テーブル。
ウエィターさんがはこんでくる、
(うわぁ)
ふわふわ、フルーツとアイスがのっている、
(パンケーキの甘い香りがずごい)
絶対家ではつくれない。
(おいしい)
(リアルはぜんぜんちがうな)
紅茶飲みながらガラス越しにみる、
現実の世界。
交差点を行きかう人々。
(どんな悩みがあるんだろう)
街灯に明りがともり、
窓ガラスがきらめき出す。
現実の家に帰ろう。