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Prefuse 73 「Vocal Studies」 (ヒップホップ、2001年)

僕がこのアルバムと出会ったのは、恥ずかしながらリアルタイムではありませんでした。
それは2002年の春のことでした。
レコードショップの、一番上段にあったレコードを手に取り、
視聴用のターンテーブルに乗せた瞬間。
あの瞬間の興奮と喜びは忘れられません。

丁度アンダーグラウンドヒップホップにハマッていっていた頃、
アングラヒップホップというジャンルでは、くくれない音に出会いました。
衝撃的でした。
プレフューズさんは、今までヒップホップに対して持っていたイメージを覆し、
リスナーが飽き始めていたヒップホップというジャンルに、息吹を吹き込んでくれました。
「まだまだヒップホップは発展して行くんだ」という希望を、見出すことが出来たんです。
このアルバム以降、その衝撃は他のアーティストにも伝わったのでしょう。
ヒップホップというジャンルにおいて、またはその他のジャンルにおいても、
音の広がりが凄く生まれてきました。

エレクトロニカサウンドとヒップホップの融合はもとより、ボーカルチョップなど新手法が、
彼の手から生まれ、世界に広まっていきました。
このアルバム以降に「エレクトロニカヒップホップ」というジャンルは市民権を得て、
多くの人達に知られ、使われる言葉になっていったように思います。

また、このアルバムを契機にエレクトロニカにも目を向ける人が増えたのではないでしょうか?!

かくいう、僕もその一人です。
僕が、エレクトロニカやクリックの魅力を知ることになった源は、まさにこのアルバムです。
このアルバムがなければ、今の僕の音楽に対する思いがなかったかもしれません。
そういう意味で、僕に良い契機を与えてくれた1枚であり、
世界的に見ても貴重な1枚になったアルバムではないでしょうか!!?

この後にプレフューズは、多くの作品(別名義やリミックスの作品を含む)を発表していますが、
最初に受けた衝撃の大きさを考えると、この1stアルバムが、
僕にとってのプレフューズベストワークなのかもしれません。

この作品の魅力は、なんといってもプレフューズが紡ぐ独特の「間」。
この間が、今までにあるようでない。そして、誰にでも出来るようで出来なかった「間」です。
どこかのレコード屋では、プレフューズの事を「つんのめり系」の音と言っていましたが、
まさにそうかもしれません。
つんのめるようなビートが気持ちよく僕の神経をくすぐってくれます。

彼が生み出す「間」は、ハウスの世界で新たに生まれた2stepのように、
その後のヒップホップへ多大な影響を与えていると思います。

このような、新たな出会いがあるから音楽は面白い。
これから益々色んなジャンルで新手法が生まれていくのだと思います。
期待して見ていきたいですね。ワクワク!!!

ろーど

THA BLUE HERB

「ROAD OF THE UNDERGROUND」 (2004年、ヒップホップ)

この曲は、ブルーハーブ第2期ラストツアーのために作られた曲ですね。
第二期というのは何のこと?といわれるでしょうけれど、これは彼らがさらに上を目指すために
一度完全に休業し創作活動に入るため区切りをつけるということです。


このツアーに行くことにより、この曲の持つ意味がモノ凄くわかりました。
僕はこのライブツアー(ターミネーターツアー)に2度足を運んでしまいましたが、
本当に感動の嵐のライブ。彼らの発するメッセージがしっかりと僕へ届きました。

この曲の持つ意味。
それはブルーハーブにとって「リスナーこそ命」だと言うことです。
そのリスナーとは全国に散らばる「ブルーエージェント」です。
僕もそのエージェントの一人だと思っていますが、ボスはライブでこんなことを言っていました。

「行くも地獄、引くも地獄。」
「ドームではなく、かといって誰もいないクラブではない。

ミリオンセラーでもなく、余ったレコードに埋もれるのでもない。
今のこの時この場所、お前らがいる場所こそ俺たちの場所だ!」

売れてドームでやるライブじゃなくて、しっかりFACE TO FACEで出来るライブこそ自分たちのスタイル。
自分が発したことをしっかりと受け止めてもらうためには、ちゃんと顔を見渡せる場所じゃなきゃいけない。
「この現場こそリアルであり全てだ!!」

これからもそれは変わらないし、やり続ける。
上の言葉からは、そんな意気込みが感じられます。


僕も、彼らの影響ではないですが、「この現場こそリアルであり全てだ!!それこそヒップホップである。」
と思っているのですが、今の日本の現状を見ていると、売れればドームツアーの一点張り。
これで良いのでしょうか??
大きいところでやる凄さは分かりますから、決してドームが悪いというわけじゃないのですけれど。
ですが、今までのリスナーを無視した方向に向かうアーティストが多すぎるように思うのです。


そういう意味では、ブルーは原点を忘れないアーティストです。
彼らの中には芯がしっかり通っているのでしょう。
これからも、そのように歩み続けてもらいたいです。

おの

だい

ぼすくん

今までブルーハーブ特集で、僕が言及したメンバーは、

ラッパーのILL-BOSSTINO、トラックメーカーのO.N.Oでした。
しかし、まだ紹介していない人物がいます。

それはライブDJのDJ DYE。
彼についてフューチャーしましょう。
彼は、ブルーの初期メンバーではありません。
それは年齢が2人に比べ若いということでもわかりますが、
最初ブルーは、ボスとO.N.Oの二人で作ったグループでした。

当初ライブもO.N.Oがやっていたのですが、彼もソロ活動などが増えたのでしょうか
(理由ははっきり分かりませんが)ライブDJをおりることになります。

そこで現れたのがDYEでした。

ブルーのライブDJを勤めはじめて、
今では5・6年程経つのでしょうか。
その間に全国をボスと二人で回ってきました。こなしたライブは100を超えるでしょう。
とにかく多くの経験を重ねてきたのでしょう。
今では、その経験に裏打ちされた技術がブイブイいっています。
彼抜きに今のブルーハーブを語ることは出来ないでしょう。

彼らのライブは「2人3脚」です。
そしてそのライブはリスナーを巻き込み「3人4脚」にする力がある。

DYEのDJは凄いです。
ボスのリリックが引き立つように、間を作り出す。
そして、イコライザー操作とエフェクトの有効的活用。これが僕らの心を青く染めていく。
完璧なボスのライムに完璧なダイの間。良いタッグです。

O.N.Oが作り出した音。それを上手くつねぎとめるDYE。そこへボスのリリック。
この連鎖がブルーハーブの強みでしょう。

最後にボスがライブで残した言葉です。
これはDance classicの1曲からの引用だと思いますが、
「Ain't no mountain high enogh!!」(越えられぬ山などない)
サイの角のようにただ一人歩め!歩み、生きろ!

以上です。ありがとうございました。


みらい

THA BLUE HERB 「未来は俺らの手の中」 (2004年、ヒップホップ)

この曲はブルーハーツのトリビュートアルバム用に作られました。
「未来は僕らの手の中」をヒントに作られた曲だそうですが、
ブルーハーツのジャンルと合わないと見なされた為か、そのアルバムには収録されませんでした。
そのため、TBHRからシングルとして出されました。

この曲では、のし上がる前のブルーハーブの様子や、
彼らが勝ち上がってきた様子が、鮮やかに描き出されています。

「絶望」は、人が産まれたときから味わなければならない、運命
の一つなのかもしれません。
しかし、それにブチ当たった時に、どういう行動をとれば良いのでしょう?
ただ打ちひしがれるだけなのか、人の助けを待つのか、それとも‥。

「未来は俺の、俺らの手の中」そういった思いや言葉を自分の中に携えていれば、
絶望に出会ったときに、ただ何も出来ない自分であり続けることはないと思います。
だからといって未来を楽観視せずに、また悲観的になることもなく、
「未来は俺らの手の中」にあるという意思を持って日々を行動したいものです。
また、「絶望」対策としても日々のこの方法が活きてくるのではないでしょうか!?

この曲を聞いて、そういう風に思いました。


>ちなみに、いままで言ってきた「絶望」のレベルは、個人的なレベルの「絶望」と理解してください。
地球規模的な災害や、食糧難の場合などは除いて考えてください。


o.n.oのトラックが、2ndアルバムにはなかった感じになっていたので、
初聞きの時はビックリしましたが、最近の彼のトラック(テクノやブレークビーツ寄りなもの)の始まりは、
このあたりから顕著に感じ取れるかもしれません。
なので、トラックに注意して聞くと面白いです。

次の回でブルーハーブ特集は、一端終了しようと思っています。
次回は長くなりそうです。なので今回は短めに。
単に書くことがなかっただけですけど‥。
ぷ

PUSHIM 「A Song Dedicated」 (レゲエ、2005年)

今日は、長いブルー特集を中断しまして、やんわりとした曲を。

この曲は、プシンのアルバム 「QUEENDOM」に収録されている曲です。
写真は、最近出たアナログのジャケです。
この盤には、アルバムに入っていないリミックスが収められています。
これがとても良いんですぅ。
「no woman,no cry」のリディムを使っているとか。
(あまりレゲエに関して詳しくないのでわかりませんが‥。)
とにかく、この季節にピッタリマッチです!!

音楽には、’人を
励ます力’があります。
その力は、現在CDやアナログ、最近ではネット配信を手段として僕たちに届きます。
受け取る側にすると、このような送信メディアを介した音楽(音楽に限りませんが、モノ)は、
発信者が、発信した時と場所が関係のないものになっていきます。

つまり、僕たちが受け取ったモノは、いつでもリアル。いつでも新鮮なものになるんです。

送信手段としてのメディアの発展は、色んなところで様々な影響を及ぼしていますが、
音楽の発展にも、凄く大きな力になっています。

「君一人 この僕は安らぎさえも 手渡せないけれど、
力の限り この場所で歌い続け 君に届け!」

プシンは、曲の中で上のように歌っています。
自分は、誰か(アナタ)に対して何も出来ないかも知れない。
けれど、歌を、音楽を届けることによって、少しでも誰か(アナタ)の何かの力になるかもしれない。
そういう歌です。

音楽自身も、また一つの立派なメディアです。
直接は無理かもしれないけれど、音楽には、間接的に人を励ます力がある。
それは音楽に、作曲・作詞した人の魂が宿っているからです。
そういった魂を、僕はこの曲を聞いて受け取りました。
プシンさん!僕へ無事に届き、響きました!!ありがとう。

プシンは曲の冒頭で、
「この世界で、時間と場所を越えて、今君に伝えよう!」
と言っています。
プシンから放たれた「励ます力」は、メディアにより時と場所を越えて
これから日本中、世界中に広まっていくことでしょう。
数ある名曲の中に、また新たな一曲が仲間入りしました。

音楽の持つ力と、素晴らしさ、気持ちよさを十二分に味あわせてくれる曲です。
是非聞いてみてください!
b3

久しぶりです。ブルーハーブの続きを書きます。
書く気が起こらなかったので、1週間くらい空きました。すみません。

「S.S.B」

この曲の意味は「スモーク ストップ バー」です。
吸って溜めて吐く。このことで脳内は活性化されるという歌。
ここまでで。

アルバム中、この曲あたりからボス自身の内面を多くさらけ出そうという試みが見られます。
また、リスナーに深く内省を促すようなモノが増えていきます。
ボスが言う、’リスナーとのサシの勝負’が段々感じられてきます。

「I'M PRIVATE ARMY」

モノ作りの大変さは、音楽をやっている方は少しばかりわかるかもしれません。
それは結局、自分との向き合い、せめぎ合い、そして紡ぎあいでしょう。
この曲は、それを歌った曲だと思います。
自分との戦いでモノは生みだされるでしょうけれど、
その自分を創っているのは、得てして自分の周りの社会であり、人であり、モノであったりします。
それを受け、自分の持つフィルターにかけて、新たな何かを生み出す。
ボスにとって、モノ作りをする人にとって、これがプロセスというわけですかね。

以前、おちまさと氏の講演を聞いたことがあります。その時に氏はこんな事を言っていました。
「企画とは、記憶の複合だ!」
一級のモノ作りをしている方が持つプロセス(極論)とは、1つだと思います。
「どれだけ多く吸収して、どれだけ多く噛み砕き、生み出すか。」
これだと思います。

「still standing in the bog」

前の曲を受けての曲です。
前の曲でボスは曲作りの手法を示しました。
この曲は、曲を発信する(生み出している)場所を語っています。

以前に僕が書きました。彼らブルーは、コネのないゼロの状態から今の地位を築いてきたと。
そのゼロの地点と言うのは彼らにとってBOG(泥沼)だったようです。
そして未だに、その泥沼は彼らを手放してくれないそうです。

ドームでツアーをやるとか、TVに出るとか、これだけ売れればブルーは出来るかもしれない。
でも違うらしいんです。
自分たちの出てきた場所とは‥。自分たちが知名度を得られた訳とは‥。
やはり現場であり、リスナーのお陰だという事。その現場はBOGです。
それを説明した曲でしょう。

「brother」

サポーター、札幌の顔役や仲間たち、リスナー、ライバル、若手など
自分たちの周りを取り囲む人達への言葉を綴った曲です。
「同士恐れるな、お前の行く道は晴れる。」

「smile with tears」

’あんたはその坂を越えなくてはならない。どのみち。’
人間誰でも壁にぶち当たる。それでも逃げちゃいけない。
You can do it !!!
失敗もある。でもやらないよりも、やってやれ!
それで失敗しても誰も笑わない。

「サイの角のようにただ一人歩め」

仏陀の言葉らしいです。
‘サイの角のようにただ一人歩め’
成果は、成長は、とにかく突き進んだところにある。
説明すればこのような事でしょうか。
結果を得るためには、我武者羅にでも突き進んで行かねばならない。
それを教えてくれます。
彼らは、我武者羅に突き進んできました。
その結果として今、このような地位を築くことができた。
一つのことを成し遂げた男の言葉は、説得力を持ちます。
経験を糧ににボスはこのアルバムを築いたことでしょう。
彼から放たれたメッセージは、しっかり僕の心にも届きます。


さて、アルバムを聞き終わった僕は、どこへ辿り着いたのでしょう。
それは、自分です。
12の曲を聞くことによって、色んなところを旅してきました。
北海道であったり、ネパールであったり、ボスの脳内であったり、BOGの低空であったり。
色々な風景を見てきました。
でも最後に辿り着いたのは、自分。
一人の人間としての自分自身でした。
このアルバム(ボスの言葉)を聞き、こう思いました。

「さあ、それで自分はどうなのだろう?」
「さあ、それで自分はどうなのだろう?」

今までの自分は?今の自分は?これからの自分は‥?