
阿部真央 『素。』 2011年6月1日発売
PCCA-03412 PONY CANYON
声帯治療のための一時休養を乗り越えた阿部真央、約1年半ぶりの3rdアルバム『素。』はロックに目覚め、ロックに夢を見、そしてロックに生きる少女の気持ちが素直に表現されている「等身大」なアルバムだ。直前に発売されたシングル『モットー。』がいきなり「疲れましたー」で始まった時は「え、なに?引退宣言!?」とか思ったが、そんな杞憂を余裕で吹っ飛ばす良いアルバムだ。
そしてこれは初めての「ロックンローラー阿部真央」のアルバムでもある。前作のように曲ごとに声色を変えてその曲のキャラに合わせて歌うのではなく、徹頭徹尾「阿部真央」であり続けた。結果として、前作『ポッぷ』のようなカラフルな印象は薄れてしまったが、その分一人の女性ロッカーとしてのキャラクターがじっくりと掘り下げられることになったのは非常に有意義だったと思う。
阿部真央は椎名林檎のように才能が服を着て歩いてるような歌手ではないし、Superfly・越智志帆のようにあの小さい体に似つかわしくない黒人ばりの歌唱力があるわけではない。ただ最初にも述べたとおり、まさに「等身大」。彼女がステージで大きく声を張り上げ歌う姿は数多くのティーネイジャーが一時は追い求め、そして敗れ捨てさったロックンローラーの夢をつかみ、実現させたあこがれの象徴である。憧れと共に親近感すら覚えさせる、それは彼女にしかできない、彼女にしか見ることができないのである。まさにそれこそ「ポップ」であり、そして「パンク」だと思う。





