第10位 ミドリ 『shinsekai』 


na0の転がる石 苔まみれ

なんとこれがミドリのラストアルバムになってしまった。まだまだ行けたろうけど、でもらしいっちゃらしい幕切れ。


相対性理論や神聖かまってちゃんが現れた時どんなに衝撃的でも、彼らが出る前にはミドリがいた。気だるさやパンク、そしてふざけてるのかまじめなのかわからないバンドとしてのスタンス。それまで聴いてきたポップでもロックでもない新しい音楽の扉を開いたのはボクにとってはミドリだったのだ。


結局彼女らの解散の理由は何なのかといえば、ミドリはミドリ以上の何物にもなれなかった、ということだと思う。夏に観たミドリのライブ。アンコール前のラストナンバー『どんぞこ』で後藤まりこがアドリブで言い放った「椎名林檎にもなれへんっ!ジュディマリにもなれへんっ!」という自らの感情の吐露。どんなに玄人からの評価が高くてもかといって世間からまっとうな評価が得られてるわけでもない。そんなバンドの現状に限界を感じたのだろう。


一応メンバーは個々で活動を続ける、ということだけど後藤まりこはこれでもう引退なんじゃないだろうか。ツイッターのアカウントもなくなっちゃったし。でも、もういいかな。理論やかまってちゃんがいるから、ってわけじゃなくて、なんかもう、熱がすっと冷めてしまった。嫌いになったわけじゃないけど、もういいかなって感じ。本当に、さよなら後藤さん。

あけましておめでとうございます。更新が滞りがちですが、今年もたくさんのCDを紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします。


ということで邦楽ベストアルバムを順に発表していきます。が、たくさんあったので選ぶのにかなり悩みました。なので、ベスト10発表前に最後までベスト10に入れようか迷ったアルバムを簡単に発表します。タイトルでは11~20位としましたけど順位はつけてません。


踊ってばかりの国 『グッバイ、ガールフレンド』

 故・忌野清志郎の遺伝子を受け継ぐ新たなサイケロックバンド。同じ遺伝子を持つ毛皮のマリーズと切磋琢磨してどんどん昇り詰めてほしい、という期待を込めて選出。


ASIAN KUNG-FU GENERATION 『マジックディスク』

 風格すら出てきた中堅バンドのアジカンから、彼らの総決算であり、最高傑作を選出。順位はつけてません、とはいったけど最後の最後まで迷った、実質11位。


ねごと 『Hello"Z"』

 おととしの閃光ライオットで見事本選出場を果たしたガールズロックバンドの1stミニアルバムを選出。おととし結成してこれだけしか曲がないってのがちょっと痛いけど、今最も新曲を聴きたいバンド。


トクマルシューゴ 『Port Entropy』

 メロディやヴォーカルとのハーモニーといった「音楽」ではなく、個々の「音」が今年一番楽しかったアルバム。いや、音楽もよかったけど。聴いたほうがいいアルバム、っていう選び方なら確実にベスト3には入ってきます。なのでぜひ。


神聖かまってちゃん 『友だちを殺してまで。』

 衝撃度だけでは今年一番のアルバムを作った彼らのメジャーデビューミニアルバムを選出。12月22日に出た『つまんね』『みんな死ね』もの子らしさに溢れたいい作品です。いつ解散してもおかしくないけど、できれば長く続けてほしいです。


buffalo daughter 『The Weapons of Math Destruction』

 今年一番おもしろかった日本のエレクトロ、テクノのアルバム。テーマはずばり「数学」・・・らしいんだけど今いちつかみ切れなかった。ただ4曲目『Rock'n'roll Anthem』はかなりよかったので聴くべきです。


SAKEROCK 『MUDA』

 無敵のインストバンドの異名を持つSAKEROCKの新作。これまで以上に「バンド」としての音がカッコよかった。ギター担当の星野源のソロアルバム『ばかのうた』もあわせてどうぞ。


LOVE PSYCHEDELICO 『ABBOT KINNEY』

 これに関してはもう彼女らが好き、としか言いようがないです。なにより彼女らの所有するスタジオで作られた曲それぞれの「音」がすごく好きです。今年は過去作のデジタルリマスター盤も出て、それもほんっとに音がいい。聴いてほしいです。


サンボマスター 『きみのためにつよくなりたい』

 きみとぼくの愛を貫きとおすサンボマスターの5作目。もう日本語ロックは彼らがいれば大丈夫だなと思えました。今年一番熱いライブを見せてくれた感謝の意もこめて選出。


THE BAWDIES 『THERE'S NO TURNING BACK』

 ベスト20の中で唯一縦ノリではなく横ノリの本作。若手なのになんかもうベテランみたいな風格があるのはRoyの声のせいだけではないはず。ただ、もっと60’sっぽい曲を多めに作ってくれれば絶対にベスト10に入れてたけど。

邦楽ベストソングの発表をし終わったので今度は邦楽ベストアルバムを選考中。

ただ、候補となるアルバム、ミニアルバムがなんと全部で120枚強!!どうしても発表まで時間がかかってしまいますがそこはご理解を。

ちなみに洋楽のほうはまだまだ聴いた枚数が少ないのでまだ選んでません。一応50枚は聞こうと思ってるので。今のところ37枚...。が、がんばりまぁす!!

第1位 RADWIMPS 『ハイパーベンチレイション』 6月30日発売 Maxi Single『携帯電話』収録


na0の転がる石 苔まみれ

第1位はこの曲。RADWIMPSが今年発表した4曲の中からランクイン。『携帯電話』はバンプの『車輪の唄』のパクリだなんだと騒がれたが、真に聴くべきなのはカップリングのこっちのほう。歌詞の意味を考える必要など何もなく、そのメロディのカッコ良さと洋次郎のボーカルの語感の良さ、そしてその両者が織りなすハーモニーがただただ素晴らしすぎた。才能、センス、とにかく天性のものとしか言いようがない。ボクの中では文句なし、洋楽・邦楽合わせて今年一番カッコイイ曲だった。


はっきり言っちゃうと嫌いなバンドだったがこの曲を聴いてしまえば、否応なく平伏するしかなかったです。活動しなさすぎなのは気になるけど、シングルもたまってきてるし来年は多分アルバム出すでしょう。この曲が入ってたら買います。

第2位 毛皮のマリーズ 『すてきなモリー』 4月21日発売 Album『毛皮のマリーズ』収録


na0の転がる石 苔まみれ


今年メジャーデビューを果たした毛皮のマリーズ。そのメジャーデビューアルバムから、志摩君ボーカルではなく、紅一点・ベースのヒロTこと栗本ヒロコのボーカル曲がランクイン。マリーズにしては珍しい打ちこみがあるんだけど印象に残ったのはそこではなく、この曲個人的にはあの太田裕美の名曲『木綿のハンカチーフ』をモチーフにしていると思う。「故郷に残された彼女がもっとバカでビッチで純情だとして、一度はあきらめたもののやはり都会に行った彼氏のことが忘れられず、会いに行ったが捨てられ傷つき精神を病み、気が付いたら風俗嬢に」という感じ。最初の「♪アンアアンアン・・・」ヒロTの嬌声がとにかくエロい。あれ単純に調子をとってるだけじゃなく、明かにセックスの直喩。しかも「春を売った覚えなどないのにアレが全く来やしないわ」って・・・ヤバすぎ。たった3分44分でそこまで想像(妄想?)させるそのストーリー性のある曲は今年他にはなかった。