昨日の続きです。
今日は第3部の組手稽古の様子になります。
この日はこの稽古で終わりになり、「形(かた)」まではできませんでしたが、組手稽古の様子を見て、少しですが、道場生のメンタル面が改善してきたのではと思えるシーンを見ることができました。
それがタイトルに挙げてある間合いの問題ですが、相手が自分よりも強いを思い込んでしまうと、つい間合いを取りたがるものです。
それがこの日の組手では間合いを縮め、少しでも攻撃が届くようにと思いながら行なったのではと見えるような状態でした。
そのような感じで対峙している写真は撮り損ねましたが、私の頭の中にはしっかり残っています。今後の稽古の中でもそういった心の強さをきちんと維持し、心技共にレベルアップしてもらえれことを願っています。
戦いの様子についてはカメラに収めてありますので、写真を交えてお話ししていきたいと思います。
仕掛ける側が「蹴り」を放ち、それに対して後方に下がりながら受けている様子ですが、前足を引こうとしているのでしょうが、その運足のタイミングが少し遅くなっている感じです。
ご覧の様に当たっているわけではないのですが、ギリギリで捌いているような状態になっています。
蹴っている側の軸足がもう少し相手側に傾いていれば、タイミング次第では届いていたかもしれません。
受ける側としたら昨日の稽古で行なったような感じで対応しようとしたのかもしれませんが、「受け」のところでわずかに遅れを感じた状態でした。
逆に言うと、仕掛けた側が心理的に優位だったと言える様子でもありますが、全体的にそのような見えた戦いでしたので、この1週間の間で様子が変化したのかもしれません。
成長の跡が見えるということは教える側として大変嬉しいことであり、そういったメンタル面の強さというのはアドバイスしたからといってすぐに改善されるものではないだけに、潜在的な強さを感じた時間になりました。
今度は「上段突き(じょうだんづき)」で攻撃している様子ですが、立ち方のことを含めて見ると、「上段刻み突き(じょうだんきざみづき)」であることが分かります。
あいにく間合いは見切られており届いていませんが、反対の上肢はしっかりガードが取れており、仕掛ける方に意識が取られ、身体が開く状態ではありません。
こういったところもしっかり戦おうという心の強さが感じられ、たとえ1本にはならなくてもメンタルでは負けていないところが見られます。
武術ではフィジカル的なところも大切ですが、メンタル面も同じくらい重要です。
だから、技術的な向上が見られた際、今度は精神面の鍛錬ということで禅などを修行する、という話があります。
この道場生が禅をやり、短期間で成長したわけではありませんが、自分で思うところがあり、それで自然に何か克服したところがあるのかもしれません。
物事を行なう時、いろいろなシーンでメンタル面の強さが要求されるシーンがありますが、こういった稽古を通じ、そういったところを培ってもらえれば、武術としての空手を意識してもらったことがプラスに作用するのではと期待します。
そして、他の道場生にもこういった傾向が広がり、良い方向に繋がることを願っています。
この後、どういう技を出したのかは分かりませんが、間合いを切り、今まさに相手に何か仕掛けようという雰囲気のシーンです。
相手もその様子をきちんと観察している様子が防具越しに見える目から伺えますが、互いに具体的な技術だけでなく、その裏側でも戦っている様子が見え、どちらが1本取ったかといったスコアのことではなく、全体を通して良い内容になっていました。
試合の場ではその結果として1本を取ることが必要とされますが、稽古ではどういうであったかという内容的なことは重要です。
道場生の立場では、たとえ稽古であっても勝ちたいと思っているかもしれませんが、教える立場としてはそのクオリティを確認します。
それは一つ一つの技であり、その戦い方ということですが、攻める側だけでなくもいろいろな攻撃にどう対処するかも重要な要素です。
確かに、稽古でも見事な1本が見られたらその場は華やぎますが、見ている人を楽しませることがメインではなく、互いの心技の向上を図ることが大切です。
実際、この2名は各大会で実績を持っていますので、それをベースに更なる成長を図るための稽古というわけですから、今回のような戦いの様子を嬉しく感じています。
今回の稽古では学年の違いなどを考慮し、格上の道場生に対しては「受け」を意識してもらい、相手に攻撃してもらうようなところを作るようにと話していましたが、その様子を実践してもらった時の様子です。
前手を上に挙げ、中段に隙を作っているところですが、意外とそうされる逆に入りにくいものです。
その誘いから何か仕掛けられるのでは、という思いが攻撃を躊躇させるわけですが、今回もそういうことになりました。
隙を作った側としては私の指示通りやったつもりだったようですが、結果的には相手側に警戒されたわけです。
しかし、そういう経験も大切であり、うかつに飛び込まなかったのはある意味懸命な対応だったと思われます。
もし飛び込んだ場合の結果も見てみたかったところではありますが、ここは道場生の選択を尊重します。
相手の作戦を読んだ結果ということであれば、それも上達の証になる場合があります。
この後、構えを変えましたので、もしかすると前述のようにその状態は誘いであり、それに乗らなかったから通常の状態に戻したとも考えられますが、この点は確認していないので推測の域を出ません。
今度は「逆突き(ぎゃくづき)」を放とうとしている様子ですが、あいにくこの攻撃は極まっていません。
攻撃される側は逆体になっていますので、基本で行なうパターンとは異なりますが、今回の稽古でも左右を入れ替えていましたので、自分なりの対処法を試していたのかもしれませんし、仕掛けようとしている側もサウスポーに相手に対して攻撃する稽古のつもりで「突き」を放とうとしているのかもしれません。
稽古生にしても、こういった個別の状態を問われてもきちんと覚えているかどうか分からないところもあるでしょうが、反省材料としては有効でしょうから、時折稽古の後積極的に質問することで各自に認識してもらおうと考えています。
戦った者同士でアドバイスし合っている様子も見ていますので、自身の動きの様子を確認し合うというところは見られます。これまで直真塾の稽古で、自身の様子で反省すべき点をアドバイスしていたことが、お互いに自然にやっているところに一般部としてクオリティを感じたところでした。
この日、稽古はここまでになりました。
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