掌底を受けとしてではなく、攻撃時の武器として用いるイメージで稽古。ポイントを意識して質を高める | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 ある土曜日の話です。

 

 この日、しばらく本国に帰っていたオーストラリアの道場生が稽古に参加しました。自分探しのために今後複数の国を回ることになっていますが、空手は生涯続けていくということで、海外の千唐流の支部がある国や地域を回ることになっています。

 

 今後も直真塾の稽古には参加するとのことですが、一回りも二回りも大きくなって再会できることを楽しみにしています。

 

 最近、一般稽古でも写真を交えたブログが増えていますが、そういった直真塾の道場生に稽古の様子を伝えたいということも含んでいます。

 

 昨年にも同じくオーストラリアに帰った道場生と話し、日本語が分かるし、今後も共につながっていこうということから稽古風景も含め、現在の様子を知ってもらいたいと思っています。

 

 他にもカナダやアイルランドにも直真塾のOBがおり、フェイスブックなどでつながっていますので、現代の便利な部分を活用し、グローバルな広がりをと考えています

 

 今日のブログも同様に当日の写真を活用しつつ、話を進めていきたいと思います。

 

 今回も4つのパートに分けました。第1部は基本の空稽古、第2部はその応用ということで組稽古、第3部は「基本型(きほんかた)」、第4部はその分解・解説という構成です。

 

 今日は第1部の話ですが、内容的に2種類の技を稽古しました。それでブログも2回に分けてお話しします。

掌底

 具体的な技は、タイトルからもお分かりのように「掌底(しょうてい)」になります。

 

 上にイラストとしてアップしたのが「掌底」ですが、文字通り掌の底部を用います。イラストでは網点で示されている箇所です。

 

 この箇所は「受け」として活用されることが多いのですが、そのことはタイトルでも触れています。

 

 しかし、今回は攻撃の際の武器としての活用法になります。当たった時の衝撃は独特のものになりますが、そうなるためのコツがあります。

 

 今回はその点を理解してもらうように行なったわけですが、や「(かた)」に登場する際は前述のように「受け」としての場合が多くなりますので、まずはその際の用法について復習も兼ねて見本を示しました。

 

 締めの型(しめのかた)」からの用法ですが、「」の意識で行ない、相手から「突き」を上手く逸らすようにします。

 

 そういう動き示したのは、今回の攻撃技として用いる場合との違いを認識してほしかったからですが、具体的には「突き」として用います

 

 

 その場稽古(そのばげいこ)」の際の用意の状態ですが、土台となる立ち方は「内八字立ち(うちはちじだち)」で、両手は「正拳(せいけん)」を握り、腰に置きます。「突き」などの稽古の際の状態を「開手(かいしゅ)」に置き換えた状態になります。

 

 

 用意の状態から行なったのは、まず「中段掌底突き(ちゅうだんしょうていづき)」です。

 

 極まった時の様子(写真)は前述の「締めの型」に登場する「掌底押え受け(しょうていおさえうけ)」として行なった時と同じような状態になりますが、その際の上肢の動きや極めの様子は似て非なるものです。

 

 そういう点を理解してもらうためにあえて「受け」として用いる場合を見本として行ない、確認したわけですが、言葉だけに寄らない中で両者の相違点を理解してもらい、当日の稽古のポイントに集中してもらいました

 

 上の写真は中段突き(ちゅうだんづき)」ですから、ターゲットは「水月(すいげつ)」になります。

 

 「突き」としてのコツは当たる瞬間、手首を素早く押し出すようにすることですが、実際にやってもらうと難しいようで、緩慢な動作になって、全体としては単に押している、といった状態になっている人が多くなっています

 

 これまで行なったことが無い身体操作、という人が多かったので仕方ないことですが、そういったところも「見えない技」の一種になりますので、今後の稽古を通じて身体に染み込ませてもらうことを期待しています。

 

 

 「突き」として行なっている様子の拡大写真です。

 

 極めの瞬間、前腕の中心軸の延長線上に位置する掌底部が接触点になるようにします

 

 

 続いて行なったのが「上段掌底突き(じょうだんしょうていづき)」です。

 

 上の写真がその様子ですが、注目すべきは「掌底」の角度です。天井方向を向いていることがお分かりになると思いますが、この時意識するターゲットは顎になります。

 

 その部位に対して下方から突き上げるようにするわけですが、この様子が「掌底」による「上段突き(じょうだんづき)」の特徴になります。

 

 掌底部の操作法については前述の通りですが、「正拳」による「上段突き」とは異なる点も多いため、初めて稽古した人について難度が高かったと思われます。

 

 今回は少年部から来ている道場生がいたため、少し難しかったかもとは思いましたが、今年から一般部に昇格するわけですので、意識を切り替えてもらうためにもあえて一緒にやってもらいました

 

 

 「上段掌底突き」を側方から見た様子です。

 

 先ほどの正面から見た写真と合わせてご覧いただくことでよりイメージしやすくなるのでは、ということでアップしました。

 

 前述したこの「突き」の要領については、第2部の稽古の際に改めて説明しました。

 

 稽古はこの後、同じく「開手」の技になりましたが、その様子は明日のブログでお話しします。

 

 

 

 

 

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