足刀横蹴り | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 昨日のBBK(ボディバランス空手)の話です。10月になり、復習の意味を含め、これまで稽古した中でどういう技が難しく、再度しっかり確認したいかという質問からスタートしました。


横蹴り

 

 帰ってきた答えが、タイトルにある「足刀横蹴り(そくとうよこげり)」だったので、昨日はこの説明・稽古で半分以上の時間を費やすことになりました。

 

 

 その際、具体的にはどういう点かを難しく感じているのか、ということを尋ねたところ、股関節の柔軟性に伴う蹴りの高さの確保が挙がりました。

 


太衝  そこで股関節を柔らかくするツボの復習・実演をすることにしました。

 

 この日出席していた方たちには以前お話しいたと思っていましたが、その後、自分で実践されていたことはなかったようで、今回お話した時点で思い出されたようです。

 

 

 さて、そのツボですが、左に示した「太衝(たいしょう)」を用います。

 

 

 これは以前、「やぐちひとり」(テレビ朝日系)という番組に出演した時、劇団ひとりさんに施術した時に使ったツボで、開脚の角度が大きく改善しました。一時、ユーチューブにその場面がアップされていたようですが、現在は削除されています。

 

 

 さて、このツボを実際に押して、開脚の改善の様子を確認してもらうわけですが、その結果は個人差がありながらも客観的に確認してもらいました。開脚しようとする時点でビフォー・アフターが改善し、角度もアップしています。

 

 

 でも、中には今一つという方もいらっしゃいました。そういう時はその状態を前提に別のツボがあります。ここでは割愛させていただきますが、その方の場合、「太衝」以外のツボで開脚の角度の改善が図れました。

 

 

 でも、股関節の状態によっては骨格調整まで行なわなければ難しい場合もありますが、今回はそういうケースもありました。

 

 

 図らずも開脚に関して複数のパターンがあったことに、BBKの稽古というより整体術の授業のような雰囲気になりそうだったので、この件はこのくらいにして、「足刀横蹴り」の稽古に戻りました。

 

 

 まず行なったのは、足のかい込みです。通常行なう「平行立ち(へいこうだち)」よりも少し広めに歩幅を取り、足裏を大腿部内側に蹴り当てるような感じで行なってもらいます

 

 

 その際、身体の中心軸の状態に留意してもらい、軸足側に重心を移動しないようにしてもらいます。そうなると不安定な状態になりますが、だからこそ素早いかい込みと足の戻しが意識されることになります。この感覚を身体と足で感じてもらうことがその目的ですが、普通の日常では経験しない身体意識・操作です。でも、だからこそこういう場でその感覚を養い、身体の使い方の質を向上させようというのがBBKの目的の一つですので、その意識でやっていただきました。このような身体の使い方を習得すれば、何かの理由で不安定な状態になっても、倒れることの防止に役立ちます。

 

 

 そういう話をしつつ、その場での蹴りの数稽古を続けました。

 


基本型Ⅰ 前交叉足刀蹴り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、移動稽古になりました。「足刀横蹴り」の移動稽古の場合、原則として3種の歩法で行ないますが、最初に行なったのは上のイラストのように、「前交叉」によって歩を進め、蹴るというものです。

 

 

 立ち方は「交叉立ち(こうさだち)」になりますが、つま先の向きや後ろ足のかかとを上げる、というのが基本的に留意してもらわなければならない点です。

 

 

 全体的に見ると、かかとが上がっていない、という人が多く、この点をきちんと意識するようアドバイスしましたが、回数をこなしているうちに集中力が途切れるのか、何度か行なううちに戻ってしまう、ということの繰り返しでした。やはり、回数をこなす中で身に付けてもらう、ということになりました。

 

 

 この稽古では「運足」の関係から、しっかり腰を切ることを意識してもらわなければ、へっぴり腰の蹴りになってしまいます。

 

 

 でも、続いて行なった「後交叉」による蹴りの場合、少し事情が異なります。イラストがないのでイメージしにくいかもしれませんが、歩法の関係で最初から腰の向きが「前交叉」の場合と異なり、腰を切った際の状態になっています。そのため、蹴る際に腰を切って、ということで加算されるパワーが期待できず、蹴りの質が押し込むような感じになりやすくなります。瞬間的に爆発するような攻撃をしようとする場合、インパクトの瞬間が大切なのですが、「前交叉」のようにその瞬間に腰を切ることがない分、質的に異なってくるのです。

 


足刀横蹴り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に行なったのが、「正整立ち(せいさんたぢ)」からの蹴りです。前述の「前交叉」、「後交叉」の場合、「足刀横蹴り」の稽古そのもののための歩法という性格が強く、実戦の場では、通常の戦い方で使用される立ち方から蹴ることができなければ、その状態から繰り出される技が読まれてしまうことになり、状況的には不利になります。BBKは武術として行なっているわけではありません、最後にこの立ち方から移動稽古を行なうのは、全身の使い方として最も難しくなるからです。

 

 

 当然、気を付けてもらわなければならないポイントはいくつかありますが、腰の切り方などについては「前交叉」による稽古の際にもお話したので軽く済ませ、ここでは軸足の処理について新たに説明しました。

 

 

 新たにと言っても、この稽古自体は何度も行なっていますので、昨日の稽古の中ではという意味です。でも、そのポイントがなかなか実践することが難しく、毎回のようにお話することになります。

 

 

 それは軸足のつま先のことですが、最初につま先を開き、それから足のかい込みに入る、という流れになっています。こういう足の意識では相手にこれから自分がやろうとしていることを教えているようなことですし、蹴りの際の「溜め」という点でも好ましくありません。BBKは武術として行なっているものではないとしても、合理的な身体の使い方を学ぶ場としては同様の意識で稽古してもらい、活用の場面を異にしてもらう、といったことになります。

 

 

 BBKの話がテーマの場合でも、武術的な内容になってしまいますが、教えている側の意識・イメージとしてはこのような内容になっています。

 

 

 

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