早朝、三枚入りの包装されたサンドイッチを路地の真ん中に置いたところ、やはり、何十人、何百人の女子高校生たちから、ゴミ同然に踏みつけられ、黒いかたまりになった。そのような場面で、気になるのは、一番最初にサンドイッチを見つけた女子高校生が、それに、どう反応するのかだ。そのサンドイッチの場合も、最初のうちは、生徒も避けるようにして通りすぎていく。が、だんだん生徒の数が増えはじめる、そのあたりから、彼女たちの足の運びがあやしくなってくる。
わざわざ、蹴ったり、踏んだりする子があらわれはじめる。そんな子たちは、たいてい友達といる子たちだ。友達といるので無神経だ。地面のサンドイッチを友達とサッカーボールのように蹴りながら、最後は、そのなかのひとりがローファーで狙いすまして勢いよく踏みつける。パン! と包装のビニールが破裂する音がして、踏んだ子は意地悪な目つきで、自分が踏みつけるローファーの下のサンドイッチの潰れ具合を確認する。そして、そのまま、うしろに蹴りあげて歩く。蹴ったり、踏んだりした子たちは、うしろをふり返り、潰れたサンドイッチを見て笑っている。そのひしゃげたサンドイッチが、うしろからくる女子高校生たちの視界に入る。もう、そうなると、容赦ない。 (下書き原稿)
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