燃える痛み | 天使の刻印 - 葉桜夏樹 Blog

ハイヒールのつま先を見ている。わずかに視線をあげると、白いストッキングが見える。残したハイヒールも、ゆっくりと床を離れると、背中の肩甲骨に踵が食い込んでくる。ハイヒールのとがった踵。彼女の全体重が一点に集中する。電車内で、うっかりハイヒールの踵で踏まれると、革の靴の上からでも骨折するという踏圧。それほどの破壊力。それを背中の一点で受けている。苦悶の声がひずむ。苦痛からのものか、それとも快楽からのものか、その両方なのか、それさえわからない。


 両方のハイヒールで背を踏まれている。完全に踏まれると、燃えるような強烈な痛みしかない。あつく熱した槍の先で突かれた感覚だ。とはいえ、この痛みの原因が背を踏む美しい女性のハイヒールだと思うと、その苦痛を喜びとかみしめる。この痛みも、美しい女性から踏まれるからこそ、たえられるのだ。歯医者に行くことすら、逃げ腰になるほど、痛みには弱いはずなのに、その彼が、唯一、たえられる痛みが、美しい女性から靴で踏まれる痛みだった「脚踏奇譚(きゃくとうきたん):アルトカルシフィリア5:下書き原稿」


新作「脚踏奇譚(きゃくとうきたん):アルトカルシフィリア5」 

kindle版 \972(税込) 

発売予定 2016年12月中旬頃


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ハイヒールと人間マットと蟲男(上): メタモルフォーシス
ハイヒールと人間マットと蟲男(下): メタモルフォーシス
踏まれたい: アルトカルシフィリア3
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