それは義弟の7回忌の法要での出来事です。
座っていた私の背中に、妙な冷たいものを感じました。まるで長方形の氷を背中にあてられたかのようでした。
亡くなったご先祖でも出てきたのか、とサマンサに尋ねるXさん。
そこに居たのは、亡霊です。
義理の弟が亡くなる数週間前に自殺した友人でした。
サマンサには、亡くなった友人が義弟をあの世へ連れて行ったのが分かりました。
彼は、友人の誘いにのってしまったのです。
優しい人柄で、友人の誘いを断れなかったようです。
若くして亡くなった友人は、未だ成仏していません。
それどころか、死んでみたものの、どうしてよいのか分からなくなっていました。
つづく