台所で片付けをしているときでした。
すぐ後ろで「お母さん」と呼ぶ声がしました。
子どもたちの姿をさがすと、廊下のほうで二人仲良く学校へ行く支度をしています。
私を呼んだのは、やはり彼らではありません。
仕事場へ到着して、ふと今朝の声が気になりました。
誰だったのだろう。
カレンダーをみて思い出しました。
3歳で亡くした息子の誕生日です。
「きっとあの子が呼んでいたのです」
その声も子どもたちとは確かに違ったのですから。
私には霊感がある、と語る彼女です。
しかし、その声の主が本当に亡き息子だったのか、用件は何だったのか、知ろうとはしないのです・・・。