本堂施設【LED化工事】進行中
2020年12月31日から『水俣条約(国際条約)』の規制が開始されることを節目に「水銀ランプ」「蛍光灯器具」「蛍光ランプ」が生産終了となります。真空管やトランジスタと同じように「蛍光灯」も昭和の遺物になるんですかね(笑)。
門祖会・開導会 合同二祖会 ご奉公日記
幸せってなに?「寒苦鳥」に学ぶ!
坊主のつぶやき
私たちはいつも一番大切にしなければならないものを、知らず知らずのうちに見失ってしまいます。
「今こうして生きていること」「家族がいること」「仲間がいること」「仕事ができること」など、当たり前のように思えることです・・・

さて、今日はまず、一羽の鳥を紹介したいと思います。この鳥の名前は「寒苦鳥(かんくどり)」といいます。「寒さに苦しむ鳥」と書いて「寒苦鳥」です。この鳥は、とある雪山に住んでいるのですが、その雪山はとても寒いことで有名な山。日が沈み、夜になりますと、とても寒くて、一歩間違えると死んでしまうくらいです。
しかし、夜が明けて太陽が昇ってきますと、夜とはうって変わって、とてもポカポカとして暖かいのです。そんな雪山に、この鳥、寒苦鳥は住んでいるのです。
ただ、この鳥には一つだけ問題があるのです。それは何かと申しますと、まだ自分の家、つまり巣を作っていないことです。そういった訳で、毎日、夜がくる度にこの寒苦鳥はブルブルと震えながら「寒い、寒い」といっては、とても辛い思いをしているのです。そして、いつもこう言うのでした。「このままではいつか死んでしまう。よし、明日には立派な巣を作るぞ」と。
なんとか寒さに耐えて、暖かい朝を迎えた寒苦鳥。一晩寒さに耐えた疲れもあってか、ポカポカとしたお天気につられて、だんだん眠くなってしまいます。そして、いつの間にか、巣を作ることなどすっかり忘れて眠り始めてしまうのです。
一日中、気持ちよさそうに眠り続けた寒苦鳥。気がつけば、もう辺りはすっかり暗くなり、また寒い夜が訪れています。今夜もまた、寒い雪山の中で辛い思いをする羽目になってしまいました。寒苦鳥はまた同じように「このままではいつか死んでしまう。よし、明日には立派な巣を作るぞ」と言っては、自分の心に誓うのでした。
しかし、夜が明けるとまた一日中眠ってしまい、また夜を迎えては辛い思いをする。こんな繰り返しをするばかりのこの鳥はいつまでたっても、心から安心をして幸せに過ごせる日々を迎えることができずにいるのです。
この話を聞いて、「この鳥はまるっきりダメだなぁ」と思うかもしれません。しかし、私たち人間の生き様というのもまた、仏様の目からご覧になりますと、この鳥と何一つ変わらないのでではないでしょうか。
何度も何度も苦しみを繰り返しながら生きている、これが私たち人間の生き方なのです。
そして、私たちは生きていく中でたくさん辛いことや苦しいことに遭遇するものです。学校や仕事場での人間関係や病気や事故、大好きな人との別れ、そして、死ぬということ。その度ごとに、心や体は傷つき、時には涙することもあるでしょう。
そんな苦しみというのは、いつ何時やってくるのかわかりません。一寸先は闇と申しますように、私たちは苦しみという出来事を突然、この体に、この心に受け止めなければならないのです。
だからこそ、私たちは仏様の教えをいただくのです。苦しみの運命を良い方向へと変えていただけるように、たとえ苦しみを受けなければならないとしても、少しでも軽く済むように、少しでも早く苦しみから抜け出せるように、そして本当の楽しみ喜びへと変えていくことができるように。
みなさんが心から幸せになりますように。
合掌



















