とても見ていて心の痛む、けれど、心温まる映画です。
舞台はドイツ。
2004年の段階でドイツには17基の原子力発電所があり、
1年間でなんと114件ものトラブルが報告されています。
このお話は実際にドイツで起こった原発事故を題材にしているわけではありません。
しかし、いつ起こってもおかしくないこと、
そしてひとたび起こればどのようになるのか。
それは環境が、街が、人がどのようになる危険性があるか、
というとても繊細で、とても重要な問題を取り扱っています。
そういう意味で心の痛む映画です。
それと同時にそんな状況下においても人を思いやれる人、
人を愛する人、支えになれる人が出てきます。
そして、この過酷な運命に立ち向かう二人は
人を愛する人でした。
お互いを愛し、家族を愛し、友人を愛し…
そして最後にとびっきりの笑顔で映画は終わります。
決して彼らの未来が明るいものであるとは限らないのに。
そんな状況下でも笑顔を忘れない、というか忘れないようにしている二人に
心温まります。
それは同時に哀しいことでもあるとは思いますが…
この映画の怖いところは
日常が突然壊れさる、ということ。
チェルノブイリの事故の後にも関わらず、(福島の事故の前に公開されています)
同じ原子力発電所がありながら、
原発事故がどこか遠くの世界での出来事のように感じて生活をしていたこと。
訓練警報があるらしいが、それに慣れてしまっていて、
本当の警報だと気が付くまでに時間を要していること。
放射能について住民が知識を持っていないこと。
…挙げだしたらきりがないかも…
チェルノブイリ事故のその後を紹介した「カリーナの林檎」見るもよし。
この映画を見るもよし。
世界に本当に原子力発電所は必要か。
そしてひとたび事故が起これば、そのツケを払うのは誰なのか。
是非、教育の場でこういう映画を活用し、考えるきっかけにしてほしい。
私は原発のある快適な暮らしよりも、
多少不便でも原発の無い暮らしを選びたい。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150202/01/mym-h542/73/2b/j/t02200165_0800060013206100630.jpg?caw=800)