死へ秒読み開始3 | 母の病状記録

母の病状記録

母の病状を記録したブログです。少ない選択肢の中で今の選択で本当によかったのか?ここに来て思い悩む日々。記録することで心の整理をしたい...そんな思いで記述しています。

エンドステージで行われる意識レベルを低下させる処置(おそらくセデーション 『鎮静』)を始めてから5日目となりました。


今までの症例では1日2日が限界だと言われていたのが、母の場合すでに5日も過ぎてしまいました。ある意味、母は奇跡を起こしています。主治医や看護士さんも少し驚いている様子です。


私たち家族も二度招集がかかり、すでに病院で4泊しています。体力もそうですが、精神的にも限界に近づいてきています。


現在の母の状態は、セデーション のための皮下注射と鎮痛剤(おそらくステロイド)を2台のNIPRO SP-10で微量ずつ継続的に投与しています。


セデーション の薬品はおそらくミダゾラムだと思います。これは特にアメリカで、胃カメラを飲む際に嫌がる人が多いことから、意識レベルを低下させて眠ったようにするために使われる薬品と同じです。


母は投与開始から今日まで、深く眠ったかのように寝続けています。血中酸素濃度も当初は95%あったものが、2日前で85%に低下し、今では手首の脈が計測できなくなったため、血中酸素濃度も測定不可能になってしまいました。


血中酸素濃度は健常者で99%から96%だと言われています。90%以下だと大変危険な状態となり、70%以下になると生命を維持するのも難しくなります。


その測定器がパルスオキシメーターというタマごっちぐらいの大きさの装置です。その装置を指先に取り付けて測ります。しかし手首の脈が測定できない母の場合、血中酸素濃度も測ることができないようです。


すでに手首の脈も感じることができない状態ですが、足の脈も感じなくなりました。腕で脈を取るのがやっとです。心臓が弱ってきていることは確かです。


2日前から呼吸も大きなため息をつくように、肩と胸全体でしんどそうにしていました。しかも呼吸の間隔が30秒前後ぐらい開く状態でした。しかし昨日夜から穏やかな呼吸に変化しました。浅いですが普通に3秒前後の間隔で呼吸をしています。


それが良い方向なのか悪い方向なのか判断つきませんが、悪い状況には変わりません。人によってはそのまますっと逝かれる方もいるようです。


皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼもそんなに強く出ていません。ただ、4日前とくらべて手足の先が、なんとなく冷たく感じられるようになってきました。特に足先の毛細血管が徐々に後退しているように見えます。体全体の温度が下がってきたように感じます。


セデーション を始める前後から、便はもちろん尿が全く出なくなりました。腎機能が低下もしくは失ったようです。まるで体の各機能のスイッチが順番に切られていっているようです。


母の顔は穏やかです。皮と骨だけになり、げっそり痩せたとは言え、一時の下痢と嘔吐そして悪液質による苦痛に比べると、落ち着いた顔になりました。この9ヶ月間の死闘による疲れを、今癒しているかのようです。


このまま安らかに逝ってくれることを、切に願っております。