エロイカより愛をこめて 愛蔵版15巻② 青池保子先生
いつもWikipediaには感心させられます。有名な漫画についてはほぼ調べられます。これまで検索して出てこなかった漫画家さんは数名です。「エロイカより愛をこめて」のWikipediaは、深く濃い愛がこめられております。ディープ。No.17 トロイの木馬始まりは伯爵邸。豪華なお城、華美な調度品の中で繰り広げられるのは、ジェームズ君による貧乏くさい会話。「ローマまでの旅費がありません 少佐がくれたマイセン食器を売りますか」前回から繋がっております。そして「狂牛病」というワードが出てきました。懐かしいです。世間で狂牛病が騒がれているとき、当方は鎌倉山へローストビーフを食べに行きました。空いておりました。そして美味しかった2000年くらいの時だったでしょうか。場面がNATOに変わると、部長、A君が健在です。もちろん少佐も。パソコンの画面を指で触る部長に少佐がイラつきます。昔、自分も少佐のように眉をぴくつかせておりました。携帯の画面も然り。ところがどうでしょう。今ではタッチするのが当たり前。時代は変わります。NATOの次は地中海の伯爵ご一行。チュニジアに上陸です。ジャズのスタンダードに「チュニジアの夜」という曲があります。かっこいいのです。地中海、太陽、クルーザー。ゴージャスでリッチな響き。青池保子先生は海がお好き。海が舞台のストーリーがたくさんあります。そしてあらゆる船舶を描いておられます。海賊船、軍艦、潜水艦、クルーザー。少女漫画で船舶がこれほど登場するのは、青池保子先生の漫画だけだと思います。嗚呼、画像を貼り付けたくてたまりません。絵が見事なのです。本格的。少女漫画で海といえば、夏、水着、夕焼け、海の家のバイトが定番だというのに。青池保子先生の漫画は一味違うのです。NATOや軍の式典の場面では、少佐の軍服姿を見られます。陸軍はグレーの軍服なのですね。ググりました。映画とかで観たことのある色でした。こういったことをどのように調べられるのでしょうか。軍事評論家の岡部いさく先生のお力によるものかもしれません。船舶の絵や軍服だけでなく、セリフも「エロイカより愛をこめて」は一味違います。なぜなら、おっさん集団だから。おっさん達が仕事の話を主にしながら、ちょいちょい世間話やら何やらを挟み込みます。海軍が陸軍情報部を嫌ったり、昇進に関するトークをしたり。「NATOの情報部は給料が高いんですかね」「ヤバイ副業で稼いでいるのさ」笑えます。軍に勤める人は、ホテルのティールームを高いと感じ、経費で食事代を落とそうとします。こーいった現実味のある会話が好きです。多くの少女漫画では、高校生であってもデート代は男性持ち。プレゼントまでいつの間にか買ってくれちゃったりします。愛すべきおっさん集団は違います。生活感丸出しなのです。