鴨のロースト♥ソース・ガストリック | 西洋料理人のオリジナル・レシピα

■鴨のロティ♥ソース・ガストリック

Magret de Canard sauce gastrique

①鴨の掃除

表面の血をふき取って筋を落とす

 

②30分室温に戻す

 

③皮の表面に切り込みを入れる

④油を引かずにフライパンで皮目から

ポワレpoêle→裏面もさっと焼く

焼いてるうちに出る余分な脂を別のお鍋に移す

⑤バットに皮を下にしてのせて

200℃のオーブンで4分焼く

→オーブンから出して4分休ませる

 

さらにオーブンで4分焼いて

4分休ませる

芯温計をさしてお肉内部の温度を確認

中心温度55~58℃になるまで

3~4分刻みでオーブンに入れて休ませて

を繰り返す

 

うちの家庭用オーブンレンジだと

取り出すたびに加熱が止まるんで

庫内の温度が下がって、

 

オーブン4分→ルポゼreposer4分

→オーブン3分→ルポゼ3分→芯温40℃

→オーブン4分→ルポゼ4分→芯温50℃

→オーブン4分→ルポゼ4分→芯温55℃

 

指で押して弾力の感触でも確認

芯温55℃になればキュイソンcuissonは〇

 

⑥♥ソース・ガストリック

Sauce gastrique

Sucre/砂糖・・・40g(カソナード)

Jus d’orange/オレンジジュース・・・150g

Vinaigre de vin rouge/赤ワインビネガー

・・・40g

Fond brun de canard/鴨のフォン・・・100g

 

お鍋にカソナードを入れて火にかけて

キャラメルを作ったら少しずつビネガーを入れ

半分の量までレデュイ

ジュ・ド・オレンジを入れてエキュメ

しながら半分の量までレデュイ

フォン・ド・キャナー

(またはフォン・ド・ヴォー)を入れてある程度

煮詰まったらフェキュールféculeで軽くリエ

 

⑦鴨の表面をふいて別鍋に取っておいた

鴨の脂で仕上げのポワレ

カットしてドレッセ.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚

 

ガルニはいろいろ

ソース・オランジュならオレンジ

土台にジャガイモのピュレとか♡

 

 

 

マグレドカナールはフォワグラを作った

ときの鴨で、胸肉でも脂が厚いんで

余分な脂を出しやすくするために例の

切込みを皮の表面に入れます

マグレMagretは「胸肉」

マグレ・ド・カナールCanard=鴨の胸肉

 

 

■フォワグラとは♥鴨・ガチョウ・アヒル

 

ガチョウは雁(ガン)の仲間

アヒルはマガモが原種で

ガチョウもアヒルもカモ科で肉や卵・羽毛などを

利用するために飼育する鳥類=家禽(かきん)類

 

鴨は日本語だと野生の鴨をさす

渡り鳥なんで飛ぶけどアヒルは鴨を飼育したもの

なんでちょっとしか飛べない

 

 

フォワグラfoie grasは仏語で「肝臓」「脂肪」

フォワグラっていうとガチョウやアヒルに

めっちゃ餌をやって肝臓を肥大させて作る

 

って言われますけど

フランスで流通してるフォワグラは

99%が鴨(たぶん日本で言う家禽のアヒル)

 

野生の鴨はジビエとして野性味あるお肉が

知られてますけど、野生の鴨とアヒルを

かけ合わせたものが合鴨(あいがも)

 

 

合鴨はスーパーでもオードブルとして

調理済みのスモークが多く流通してますけど

料理人の認識としては比較的安いもの

 

合鴨のフォワグラも流通してるので

合鴨の胸肉もマグレドカナールって呼んで

売られてたりするけど200~240gで

 

いわゆる高級品のイメージの

マグレ・ド・カナールはマグレ=胸肉も

おっきいんでフィレ=切り身が

300g以上で流通してて

 

合鴨のとは大きさ=価格で区別して

マグレ・ド・カナールって呼んでる気がします

 

 

ちなみにネットでも「フォアグラ」が

一般的みたいですけど

フランス語発音だと「フォワグラ」に近いんで

ついついこだわって「フォワグラ」

 

「合鴨」も「アヒル」もフランス語では

カナールCanard

日本語みたいに野生は鴨、家禽はアヒルとか

区別した言い方をしない

 

 

 

■ロースト♥

 

鴨のローストを仏語で言うとcanard rôti

カナール・ロティ

 

鴨って言うとネットだと「鴨のロースト」

鴨を料理すればそれはロースト

みたいな枕詞(まくらことば)的に一般の人には

インプットされてるようですけど

 

ロースト(英:roast)=ロティ(仏:rôti)は

大きな肉の塊をオーブンで焼くことなんで

ネットに氾濫してる一般の人の

「鴨のロースト」には違和感がエグい・・・

 

 

オーブンで焼いてない鴨のローストは例えるなら

炙(あぶ)ってない鰹(かつお)をカットして

「鰹のたたき」って呼んでる感じ。。。

 

焼いてもいない肉を焼肉って呼ぶ感じ。。。

 

 

オーブンで焼かないで

フライパンで焼くだけならポワレpoêle

 

鴨のロースト=カナール・ロティcanard rôti

っていうとフランスだと

オーブンで丸焼きのイメージです

一般に「鴨のロースト」としてイメージされてる

鴨料理の定番はソース・ガストリック

=カラメルとビネガーを合わせたソース

 

ガストリックは直訳すると「胃液」

苦くて酸っぱいソース♡.。.:*・゜

 

このガストリックに

オレンジジュースを加えたソース・オランジュ

Magret de Canard à l’orange

 

オリジナルはソース・ビガラード(苦味の強い

オレンジ=ビガラードBigaradeを使ったソース)

フランボワーズやカシスのソースもPOP♡

 

 

日本のフランス料理店の厨房では

オーブンで焼く=Cuisson au fourのことを

ローストroastとかロティrôti

って呼んで料理名につけます

 

日本のコックさんはかたまり肉をオーブンで

焼けばローストって呼ぶけど

フランスだとローストは丸焼きのイメージなんで

 

日本人にイメージされてる鴨料理を

料理名で鴨のローストとは言いません♡

 

 

 

切り口が生のようなピンクをした

「鴨の~」の画像をよく見ますけど

火が通ったレアとは違って生焼け

生焼けのステーキといっしょで

●ステーキナイフでなかなか切れない

●噛み切れない

のでご注意.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚