シノワとパソワ♥調理器具の呼び方 | 西洋料理人のオリジナル・レシピα

■削るヤツ♥

キャロット・ラペでおなじみなので

ラペRâpeする=おろすってフランス語

わりと浸透してますけど

 

ナツメグやライムとかの皮をおろす

↑この道具

厨房ではふつうによく使います♡

 

皮=ゼストzest(英)なんで

皮をおろす行為の場合もゼストって言いますけど

この道具、

おろす器具の名前を職場のみんなに聞くと

 

ほとんどの人=プロの料理人が「・・・」

「削(けず)るヤツ」

 

 

私はパッケージに書いてあったりする

「zester」をまんま英語読みして

「ゼスター」って呼んでましたけど

フランス語でRâpe pour zeste=皮おろし器

 

ゼスター・グレーターzester graterは

英語の商品名

チーズ・グレーターcheese graterも英語

 

 

フランス語発音だとゼステzester(仏)=

風味や香り付けに使われる柑橘系果実の皮

 

皮はフランス語でピーラーpeeler

柑橘系果実の皮に特化したおろし器だと

ラペピーラーゼステRâpe Peeler Zester

 

ピールpeelは英語で「皮」

英語でも皮むき器はピーラーpeeler

フランス語で皮はプレpeler

ピーラーで野菜やフリュイの皮をむく

 

皮むきに特化したいわゆるピーラーは

フランス語だとエプルシャーéplucheur

皮を「むく」はエプリュシェéplucher

 

 

■シノワとパソワ♥ソトワ

 

パソワpassoireは

パソワールって呼ぶ職場があるみたいですけど

いかにもカタカナことばで

フランス語の発音もパソワ

実際にパソワールって呼ぶ人も見たことない

 

語源もたぶんパッセpasser=濾す

パッセする道具ってこと

ソースを濾したりタミを使わないで

肝とかを裏ごししたりするときに

持ち手があるんで手軽に出来る道具

 

ですけどフランスの濾しアミに

このタイプはありません

 

英訳するとスープストレーナーsoup strainer

フランス語でオイル濾し器Filtre à huile

ですけど底が平らなこの形はありません

 

 

 

シノワchinoisはフランス語で「中国」

中国の帽子の形のイメージで

こう呼ばれるそうで

円すい状のをシノワ

メッシュ状になったシノワはフランス語だと

シノワ・エタミンヌchinois étamine

アパレイユをパッセしたりする道具ですけど

この呼び方で区別するフレンチの職場は

さすがにありません・・・

 

底が円すい状のヤツをシノワ

平らなヤツをパソワって区別してましたけど

フランスでパソワpassoireっていうと

↑こういうザル全般をさすみたいで

円すい状のヤツを

パソワ・シノワPassoire chinois

とか言ったりもするんで。。。

 

 

↑これはタミtamis

裏ごしをそれなりの分量でやるときに

パソワだと小さいって場合に両手で

木べらとかマリーズを使ってパッセする

 

もしくは粉ふるい→タミゼtamiser

 

 

ちなみにソトワsautoirは鍋

フレンチの厨房で日常的によく使う

底が円形の広くて大きい浅めの鍋で

20~30人ぶんのマンジェ=まかないを

作るときとかにも重宝

 

「外輪鍋」は当て字で

カタカナでソトワールって表記もあるけど

フランス語発音は「ソトワ」に近くて

 

厨房でも「ソトワ」以外のいい方はしない

 

 

フランスだとsautoirっていうと

一般には長いネックレスのことで、

大きい鍋の丸い底からネックレスを

連想してそう呼ばれるようになったのかも

 

直径30~51cmのあいだで4~5種類の

大きさをたいてい揃えて使い分けしてます


 

■ゴムべら♥

↑これ、ゴムべらって言うと

シリコン製もあるんでひっかかる

 

でフランス語のマリーズmaryse

スパチュラは英語

フランス語はスパチュールspatule

 

 

厨房だとフランス語だったり

英語だったり

日本語だったり

 

ホテルとか業界特有のカタカナ語だったり

 

セルフィーユ(仏)だったり

チャービル(英)だったり

 

調理器具の呼び方もさまざまです♡.。.:*・゜