唐揚げの下味は一晩漬けない?❤科学的根拠 | 西洋料理人のオリジナル・レシピα
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子供の頃オカルトマニアで

ミステリーサークルとか預言者の

本にハマってたけど

 

ネットの普及とともにそういう

迷信とか都市伝説的な

科学的根拠のない嘘が

次々と暴かれてしまって

 

最近オカルトを扱った番組も

めちゃ減って寂しくなりました♡.。.:*・゜

 

 

でもその一方で料理の世界には

いまだに多くの迷信がはびこってて

いくつか紹介します(◕ܫ◕ღ)

 

 

■唐揚げの下味は

一晩漬けてもムダ❤

イメージ 3

唐揚げの大会で優勝したお店が

TVで紹介されると、大抵ひと晩タレに

漬けて下味を染み込ませるって

いうシーンがお約束だけど

 

ひと晩っていう長い時間漬け込むから

味が染みて美味しくなるっていう

お店のお考えで放送されてるかどうかは

わかりません❤♬♥

 

 

TVを見てほとんどの人がそう誤解

しちゃっても無理ない放送の仕方

なのは確かですけど

 

もう何年も前にTVの某番組で

「下味に漬け込む時間の長さと

味の染み具合の関係」を

 

鶏肉内部の塩分濃度を測定することで

科学的に検証実験してました♡*゚¨゚゚・

 

 

つまり、「ひと晩」っていう長時間の

根拠が曖昧なのと、じゃ具体的に

何時間が一番いいの?って疑問・・・

 

実験結果をグラフにしたのが

こんな感じの曲線で

結論から言うと15分でじゅうぶん

15分以上漬け込んでも

それ以上味は染みない

 

=15分以上は

いくら漬け続けても変わんない

 

つまり

一晩漬ける必要ない」♡.。.:*・゜

 

 

一晩漬けた=中まで染みてる

っていう先入観がインプットされる

・・・すり込み

 

 

だけどこれは塩分濃度(味の濃さ)で

計測した明白な実験結果で

 

浸透圧で濃度は均一になろうとして

塩分(醤油)が鶏肉内部に入る代わりに

鶏肉内部の水分(肉汁)が

外に出ちゃうので

 

漬ける時間が長いぶん鶏肉表面の色が

さも味が染みたかのように色づくけど

 

漬ける時間が長ければ長いほど

肉汁や旨みが抜けちゃう

ということ★,。・:・゚

 

 

「一晩漬ける」っていうのは

お店の仕込みの

ルーティンからくるものだけど

 

調理の前とか、開店前に

変えた方がBetter♡.。.:*・゜

 

 

ちゃけば

何時間漬けるのが最適か

知らない

ざっくりした感覚でやってる

 

ルーティンとして前の日に仕込んで

一晩漬けたのを揚げてるだけ

 

 

フレンチの厨房でも

シチューの煮込みに入れるランプ肉を

赤ワインに漬けて真空パック

でも何時間漬けるのが最適とか

細かく考えないで

仕込みの流れで前の日に漬けて

翌日朝から煮込むだけ

4~5時間

 

長時間煮込むほど柔らかくなる?

お肉(ブロック=かたまり)の大きさによる

お家で一口大にカットしたお肉なら

圧力鍋で20分でじゅうぶん

 

 

ヒラメをレモン漬けしたり

ボタン海老を醤油や大吟醸で漬ける時も

仕込みの流れで1時間漬けたり

30分だったり♡.。.:*・゜

 

 

 

 

■味付き煮卵♥

味玉にはざっくり分けて二通り

 

ゆでたまごを合わせ調味料に漬け込むタイプと

ゆでたまごを煮るタイプ

 

「味がじっくり染み込んだ」

って表現をよく見ますけど

断面を見ればわかる通り

 

ゆでたまごの白身=卵白は中まで

味が染み込んだりしないので

実際には表面だけ。.:*・゚

 

 

半熟がいいなら煮たりしないで

半熟のゆでたまごをお鍋やフライパンで

合わせ調味料にさっと絡めるだけでいい

 

冷めててもいいなら唐揚げの下味と

いっしょで漬け込み時間15分♡.。.:*・゜

 

 

 

 

■すき焼きで牛肉を糸こんにゃくの近くで

 煮ると、牛肉が硬くなる?

イメージ 3

こんなデマもまことしやかに流れてて

こんにゃくの凝固剤のせいで牛肉が

硬くなるとか

 

こんにゃく業者の皆様からしたら

風評被害、科学的根拠ゼロ(ღ◕ܫ◕)

 

 

 

 

■おでんのもち巾着とこんにゃく❤

 

すき焼きの嘘説に似たお話に

おでんのもち巾着があって

 

こんにゃくの近くでもち巾着を煮ると

逆に(?)おもちがなかなか

柔らかくなんないそうで

 

某情報番組の企画で

もち巾着だけの鍋Aと

もち巾着+こんにゃくの鍋Bを30分間

煮込んで比べてみたっていう実験の結果

 

鍋Bのもち巾着は固いままほとんど

柔らかくなりませんでした(◕ω◕❀)

 

 

 

 

継ぎ足しのタレ

創業〇〇年の老舗の鰻屋さんとかで

代々受け継がれてるっていう秘伝のタレ

それが創業以来継ぎ足しですって

よくTVで紹介するんですけど

 

これも超シンプルに科学的に

検証実験した結果

継ぎ足しを続けると2か月でタレが

すべて入れ替りました(✿❛◡❛)♫♫♬

 

赤く着色した水槽の水を元のタレに見立てて

継ぎ足す新しいタレに見立てた青く着色した

水を毎日加えて水量を保つっていう検証実験で

 

2か月ですっかり赤から青に変わっちゃった

=中身が入れ替わったので

 

創業当時のタレは物理的に

一切残ってない

っていうこと♡.。.:*・゜

 

 

 

「継ぎ足し」のタレが腐らない理由も

そういう理屈から納得できる

「創業以来継ぎ足し」っていうコトバから

誤解を与えてるのは間違いなくって

 

タレの調理(レシピ)はきちんと

受け継がれてますって

受け止めるべき

 

かも(◕(エ)◕❀)♪

 

 

このネタはTVで何度か見てるくらい

繰り返し発信されてるけど

店主さんも知らなかったって愕然

 

創業何十年っていう看板を守ってきた

継ぎ足しで数十年創業時のタレそのものを

引き継いできたって思い込んでただけに・・・

 

うなぎにしろ唐揚げにしろ

専門家=お店の料理人でも知らない人

知らないことっていうのはけっこうある♡

 

 

 

■継ぎ足しNGが常識♡

 

飲食店の厨房で衛生管理

食材の鮮度管理をする上での

基本のキ

 

それは「先入れ先出し

先に作ったもの

(古いもの)から先に出す

 

 

厨房では同じメニューの同じ食材を毎日出す

毎日出すからなくなりそうになったら

補充=新たに仕込みしなくちゃいけない

 

なので鮮度管理の基本=鉄則

適切な温度で保管する

先入れ先出し

 

=先に仕込んだものを(アニキ)

あとから仕込んだものを(弟)

って呼んで(業界用語)日付をつけて

 

いっしょにしないように分けて保管

左側にアニキを置いて左側のものから出す

 

 

メインのステーキのソース

ポワソンのソース

ポタージュとかも全部いっしょで

 

営業後に残ったら小さいポットに移す

絶対にアニキと弟を混ぜて保管しない

 

保管するポットを変えるのも重要で

鰻屋さんのタレのイメージ=おっきな瓶(かめ)?

とかに継ぎ足したり・・・が基本衛生的にNG

仮に継ぎ足すとしても

瓶(かめ)?から一度別の容器に移して

その都度瓶を洗ってきれいな状態にして保管

 

こうして古い=鮮度の悪いアニキが

いつまでも残ってない状態を

維持する

 

作ったものは早く消費する

消費しきれなきゃ処分=捨てる

 

創業時から継ぎ足してきた

たれがまだ瓶に残り続けてる

=数十年分の旨みが詰まってる

かのようなイメージは幻想

 

単なる認識間違い

 

 

 

いまどきの料理人は

調理師学校を出るのが基本なんで

鰻屋さんでもたぶんまちまちで

 

こういう基本の鮮度管理を理解して

徹底してる料理人だったら

たとえ〇〇年の老舗の鰻屋さんだろうと

 

絶対にタレの継ぎ足しはしてない

はず.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚

 

 

 

TVのプロデューサーさんはそれを知らないんで

「継ぎ足し」ありきで老舗のお店を探して

「継ぎ足し」アピール必須でグルメリポート

 

 

 

■タレが腐らない理由♥

 

鰻屋さんのHPでタレが腐らない理由を

次のように説明してました。.:*・゚

 

 熱々のうなぎをタレにつけることで、タレは

 低温殺菌され菌の繁殖を防ぐことができる

 低温殺菌というのは

 60℃から70℃程度で殺菌することです。

 

タレが腐らない理由は前述のとおり

継ぎ足しで中身が新しいものと入れ替わるからで

「低温殺菌」はウソ(。- .-。)♥

 

O-157を逆から読んで

「75℃で1分以上」

って覚えるけど

 

食中毒菌の殺菌は75℃以上

が常識

 

低温殺菌ていうのは牛乳を60~65℃で

30分加熱殺菌することで

 

タレをアツアツの鰻で60~65℃に

保つなんて普通に考えて出来るわけがない

家庭の給湯器の温度設定60℃の

お湯の熱さを考えたら

 

60℃に温めたりしていない

冷めたタレが60℃になるなんて

ありえないってわかる。。。

 

タレを60~70℃に温度管理してる

鰻屋さんなんてそもそもないと思います♡

 

レストランでは温蔵庫=ウォーマーを使ったり

ソースやスープをバンマリbain-marie

=湯煎で保温して、温かい状態で提供する♥

 

 

プロの料理人でもこういう風に

専門家を気取って間違ったこと、

ウソを平然と発信しちゃう人

 

間違ったことを正しいって

思い込んでる場合が珍しくない

 

食品衛生の基本を知らずに仕事してる

飲食業界の人がめっちゃいるので

ネット情報は鵜呑みにしちゃダメ。.:*・゚

 

 

 

■煮物は冷ますと味が染みる?

 

これについては科学的検証を

十分にした例を見てないので

はっきりと言えませんけど

 

「科学的」にアプローチした記事が

二通りあって、諸説ありって感じ・・・

 

説①煮物を冷ましておくときには、

 長い時間かけているので味が染みる。
 これが「冷めるときに味が染みる」の

 正しい解釈だと思います。


 決して、冷ますときの方が温かい時より

 味の染み込みスピードが速い、

 というわけではない(抜粋)。

 

説②・食材を加熱しているときよりも

 冷めるときの方が味は染みこみやすい。

 

 ・冷却時間が長いほど、

 より味は染みこみやすい。

 

 ・食材を一定温度以上に加熱すると

 味は染みこみやすい(抜粋)。

 

私は圧力鍋で煮て(長時間煮るのと一緒)

お鍋ごと氷水で冷やして

冷めたらお鍋ごと冷蔵庫に入れる♡*゚¨゚゚・*

 

フレンチの厨房でもシンク等に氷水をはって

大きい鍋ごとつけて冷やす

 

 

加熱調理した汁系料理(煮物・ポタージュ

・カレー・シチューなど)を厨房で

冷蔵保存するときにも必ず同じことを

するんですけど

 

食中毒菌が活性化しやすい温度帯が

ちょうど人の体温に近い40度弱なので

その温度帯を氷水で急速に冷やして

早く通過させるためで

 

煮物のときはそれに味を染み込ませる

っていうメリットも付いてくる

ってことですけど

 

塩分濃度の時間経過に伴う変化から考えて

長時間おくほど味が染みる

っていうのは科学的根拠がない

=誤解です♥

 

 

 

 

2021.3.4