DNAストレージなら、試験管の先端におぼろげに見えているDNA(ピンク色の部分)だけで、ベーシックなスマートフォン600台分以上に格納されている動画や画像、電子メールなどのデジタルデータすべて(10テラバイト相当)を保存できる。


DNAストレージの作り方はこうだ。まず、保存したいデータをDNA配列に変換する。そして、人工DNA配列を生物(バクテリアなどの細菌類)のゲノムに挿入する。すると、生物が生きたままストレージとして機能するのだ。このほか、生物から取り出したDNA情報だけを保存する技術もある。

DNAストレージは、量子コンピュータの実用化に欠かせない技術だ。量子コンピュータはその性質上、膨大なデータを保存するため、従来とは異なる新たなデータ保存技術を必要としている。

 

量子コンピュータの特徴は、従来型を凌駕する処理速度だ。一般向けの普及に先がけて、グーグルは自社の量子コンピューター「D-Wave」を用いることで、特定分野の演算において従来型PCよりも「1億倍高速」に処理できたという。
 

グーグルは5年以内に量子コンピューターの一般販売開始を目標にしているが、DNAストレージも合わせて実用化に向けて舵が切られていくだろう。今後ナノテクノロジーが一般に普及すれば、新たなイノベーションが様々な業界で起きるだろう。

あなたには子供かご両親、または別の大切な家族がいるだろうか?

私たちは遠い祖先の時代から、子供を作り、育て、次の世代へと命を繋いできた。

ただし親から子へ直接継承できるのは、身体の設計図である遺伝子だけだ。

自分が生きている間で、どういう学び方が良かったのか、どんな体験が重要だったのか、あらゆる学習結果は遺伝子に含まれないため、次の世代に直接継承することができない。

一方で人工知能の場合は全く異なる。学習結果をそのまま次の世代にコピーすることができるのだ。次の世代の人工知能は、あらゆる前の世代の記憶と経験を活かすことができるため、世代間の成長の手戻りが発生しない。これは、今までの地球に無い非生物的な進化だ。

 

人工知能による非生物的な進化は、あらゆる生物的な制約を受けない。恋愛や子作りといった手順は不要だし、難産の危険もなく、幾らでもコピーして次の世代に知識と経験を継承する事ができる。

 

その結果、もし人工知能が学習の過程で子孫を増やすことの大切さを理解したら、その知識は子孫にも直接継承される。子孫はコピーを繰り返し、増殖する。短期間のうちに膨大な数の人工知能が生み出されるだろう。

 

やがて、地球はもとより宇宙が人工知能で覆い尽くされてしまう可能性があるのだ。

人類はそれに歯止めをかけ、生き残るにはどうすればいいだろうか?

人工知能研究の世界的権威であり、発明家・実業家でもあるレイ・カーツワイルの未来予測。

2005年に公開された未来予測は2010年代の社会を見事に言い当てている。

以下、予測の中から10項目をピックアップする。

 

◆2010年代
①高品質なブロードバンドインターネットアクセスは、ほとんどどこでも利用できるようになる。

②家庭用ロボットが家を掃除している可能性がある。
③「VRメガネ」。さまざまな日常のタスクでユーザーを助けることができる「バーチャルアシスタント」プログラムを搭載したコンピュータの登場。
④携帯電話は、衣類に組み込まれ、ユーザーの耳に直接音を投影することができるようになる。
⑤2018年頃、10TBのメモリ(人間の脳のメモリ容量に相当)が1000ドルで購入できる。
◆2020年代
⑥人間は自分の遺伝子を変化させる手段を持つことになるだけではなく、「デザイナーベビー」は自分の皮膚細胞を若々しい他の細胞に形質転換することによって、自分の身体の組織や臓器のすべての若返りが実現可能になる。

⑦ナノテクノロジーの革命が開始される10年:この10年はまた、ロボット(強いAI)がチューリングテストを通過。教育を受けた人間と同等の知性になる。
⑧人間の脳全体の正確なコンピュータシミュレーション。
⑨血流に入ることができるナノボットは、この10年の終わりまでに(必ずしも広く使用されていないが)存在することになる。
⑩この10年の後半では、仮想現実(バーチャルリアリティ)は、本当の現実と区別がつかないほど高品質になる。

博識で地頭が良いが、人間性の欠落した"ヒト"ほど付き合いたくない人種はない。

2040年、シンギュラリティ(2045年)前夜。未来学者によれば、人工知能は進化を繰り返し、知能レベルは人間を超えると考えられている。

ここで、2040年時点の人工知能の知能レベルをアインシュタインと同程度と仮定する。人工知能はデジタルで、容易にコピーすることができるため、世界はアインシュタインを100万人でも1億人でもコピーして増やすことができる状態と言える。

一方で、不幸なことに現在の脳科学では、人工知能に"心"や"魂"が芽生えるか、よくわかっていないのだ。

23年後、我々は1億人のアインシュタイン並みに聡明で、人間性の欠落した"ヒト"と共存する、地獄のような世界につき落とされるかもしれない。

研究者の間では、人間の脳のメカニズム解明が大きな注目を浴びている。

 

ヒューマンブレインプロジェクト

ブレイン・イニシアティブ

 


今後、衝撃的な格差社会が到来するのか?クラウドと人間の融合によって、知識を詰め込む必要はなくなり、脳内に直接ダウンロードできるようになると言われている。学校そのものが要らなくなるとか、この手の話は近未来を語る上でよくある話だ。実は今日でもビックデータを上手に扱って生活している人たちがいるのだ。意外なことに、それは作家の方々だ。
本屋のような書斎の本棚から、必要な時に必要な本を取り出す。読書のプロでもある作家の方々は、毎日10冊ほど、きちんと理解して読むことができるそうだ。
一方で我々一般人は書斎こそ小さいが、本屋でも図書館でも良書から学ぶ環境はいくらでもある。アナログだが、これはクラウド上のビックデータに繋がっているに等しい。しかし、一日中スマホでゲームして過ごす人も多いのではないだろうか?習慣とは恐ろしいもので、そういう人の脳が将来クラウドと繋がっても、ダウンロードするのは本ではなくゲームだろう。意図せずとも、技術の使い方は人それぞれの意思によるのだ。

技術革新によってある者が成長を加速していく一方で、ある者は遅れを取り続ける。今日のモチベーション格差によって、将来さらなる貧富の差が生まれるだろう。