「青い猫と虹の一族」四章~虹の一族との日々(27、28)
~愛を予言する花~の巻き
ラファエルとバルナバとの喜ばしい再会を果たしていた。
互いに感涙に咽び終わり、会話が弾んだ。
『「ふたりとも、どうして僕が戻ったと分ったんだい?」』
と、ジョイがたずねた。
『「それがね、教えてくれたのはラブなのさ」』
と、ダークレッドのバルナバが微笑む。
『「ラブが?どうして知っていたのだろう?」』
と、ジョイは首をかしげた。
『「どうして君の帰りを知っていたのかという事情は知らないんだ」』
と、ブラウンのラファが静かに答える。
『「愛のテレパシーかも知れないぞ」』
と、バルナバが相変わらずジョークを飛ばして笑う。
実は、テレパシーなどではない・・愛の奇遇が重なっていたことを、彼らは後に知ることになる。
しかし今は、
『「う~ん、いずれ分るだろうから・・・それはいいか。それにしても、皆に心配かけたね」』
と、ジョイがすまなそうな顔を二匹に向ける。
『「君のいない間に、色々あったんだけど、それは後でゆっくり話すよ」』
と、バルナバが寒さをこらえつつも物足りなさそうに語る。
『「じゃあ、寒いから・・・今日はこれまでにしておこうか?」』
とのラファの言葉で、三匹は別れた。
庭をウロウロしていたサムが、白樺の幹の陰から突然現われたジョイの姿を見つけて叫んだ。
「ナンシー! ジョイがいたぞ~。やれやれ・・・」
ナンシーが駆けて来た。
「マラソン終了ね。あ~らジョイ、寒い森の中で何をしてたの?教えて?」
と、好奇心に満ちた目を輝かせた。
七本だけの白樺を森と呼ぶのはナンシー独特の命名によるのである。
「とにかく、みつかってよかった。さあ、部屋に戻ろう」
と、サムは嬉しそうに鼻歌をふんふんと始めた。
「そうね~うふふ」
ナンシーの方は、全く異なる意味で鼻歌をふんふん始めた。
ジョイは、嫌な予感で猫毛がほんの少し立った。
その(29)へ続く (by ゆうゆ)
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