「青い猫と虹の一族」四章~虹の一族との日々(26)
~愛を予言する花~の巻き
サムはジョイを床に下ろしながら、何かを思い出した。
「あ、そうそう門の所でうろうろしている二匹の猫を見たぞ。あれは、え~と、一匹は赤っぽい・・・」
ジョイはサムの解説が終わらないうちに駆け出す。
急いで庭に出て門へ向かう。
小心なサムは、ジョイの余りの素早さに度肝を抜かれて目を白黒させて騒ぐ。
「ナンシー! ナンシー、大変だ~!ジョイが全速力で外へ飛び出したぞ~!」
ナンシーは、なぜかモップ片手に部屋に入って来た。
サムを見るなり
「心配はないと思うけど・・・ふふ、ジョイがどこへ行ったのか、追いかけてみましょうか?」
と、好奇心に満ちた表情が輝く。
この人は、どんなハプニングも楽しきイベントに変えてしまう。
「追いつくことは出来ないと思うけどね~」
と、サムはすでに諦めムードだ。
「冬の夕暮れのマラソンもいいと思うわ。さあ、出発!」
と、ナンシーはモップを放り出して玄関のドアを出た。
オマール夫妻は、フルスピードで庭を横切って門まで来た。
ナンシーが軽やかに門を右に曲がりハナミズキ通りに出る。
サムは左右を幾度も迷って、足を踏みながら結局は、庭にいたまま戸惑っている。
サムは決断に時間を要する性質である。
オマール夫妻がジョイを捜している間、ジョイは隣との境の隅にほっそりと立つ七本の白樺の木の下で懐かしき親友達、ラファエルとバルナバとの喜ばしい再会を果たしていた。
互いに感涙に咽び終わり、会話が弾んだ 。
その(27)へ続く (by ゆうゆ)
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