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とても良い本なので記事にしました。
難しくなりがちな内容を、赤ずきんとオオカミの話などに例えてわかりやすく解説しています。
 
著者である白川先生ご自身が被害を受けられた経験があるからなのか、優しく寄り添ってくれるような本です。
 
単回性のトラウマ、慢性的なトラウマはもちろん、災害によるトラウマからの回復方法や、支援者のケアについてもしっかり書かれています。
 
支える人にも、ケアは必要です。
 
 
この本では「トラウマとは何か」について、こんな風に説明しています。
 
(kindel版 10%)
誰かから「はい、おみやげにどうぞ」と300 グラムのお肉をもらったとします。そうしたら家にもって帰って料理して自分の糧にすることができます。
 
では30 キロの肉を「どうぞ」といきなり渡されたら、どうしますか? 大量すぎるので、持って帰ったら冷凍するしかありません。 
 
トラウマ記憶を体験として一度に咀嚼するには大きすぎます。そこで、いわば脳の中で冷凍保存されるのです。日常の記憶とは違って、なるべく思い出さないですむようしまいこまれます。
 
解離という、いつもの自分とは壁で隔てられた冷凍庫にしっかり入れて、冷凍するのです。ですからそこには、トラウマを受けたときの五感、感情、認知や思考が、そのときのまま冷凍保存されています。 
 
トラウマ記憶には次のような特徴があります。
 
1無時間性・鮮明性
 
私たちは日常の会話の中で「トラウマになっちゃってさぁ」なんて話すこともありますが、通常は、失恋が
トラウマになることはまずありません。
時間が経つにつれ、苦しい思い出も、セピア色の記憶になっていきます。
 
けれど、トラウマ記憶は、何十年経ってもセピア色になりません。放っておけば鮮明なままです。
 
 
とてもわかりやすい説明です。
確かに、トラウマ記憶は他の記憶とは違って鮮明で、情報量が多いです。
 
本を読み進めるうちに、自分の中で起きている様々なことが一つ一つ説明されていきます。絡まった糸を解くような感覚です。
 
 
 
私のミスの多さについても、これではないかという箇所がありました。
 
(kindle版 15%)
トラウマの冷凍保存記憶を持っている人は脳に大きな負荷がかかっている状態です。
 
トラウマ記憶は言葉で綴られた記憶ではありません。映像や、感覚や、音などが詰まった記憶です。
 
パソコンを使う人はわかると思いますが、文字だけのテキスト・ファイルの容量に比べて、映像や音入のファイルは、何十倍もの大容量になります。
 
脳の中に毎日使う「作業テーブル」があるとしたら、その上に「大きな過去」と「小さな今」が乗っている状態です。
 
大容量のトラウマ記憶に圧迫されて「今ここ」が小さくなってしまっているのです。
 
「作業テーブル」の空いた場所、つまり「ワーキングメモリ」が少なくなり、ADHD(注意欠陥多動性障害)のような状態にたやすくなってしまいます。
 
 
そのままにしていては、いつまで経っても過去にならないトラウマ。
 
それを過去にするために人に話していくことの大切さについても書かれており、私にとってはこれが難しいんだなと思いました。
 
 
話すことはできますが、話すときに感情を切ったほうが楽に話せるので、つい切ってしまうことが多いです。それではトラウマが過去になってはいかないようです。
 
なんでもそうですが「何かをやめるなら、その代わりに何をするか」なので「感情を切るのをやめる」代わりにするなら「感情を込める」なのか…。
 
いきなり感情を込めるのは、ハードルが高そうなので模索中です。
 
自分で意識して感情を切る時と、いつの間にか切れてる場合があるので両方の対策が必要ですね。
 
 
 
この本は、とにかく説明や例えがわかりやすいです。
中高生でも読めそうですが、でも内容は広く、濃いです。
 
トラウマで苦しんているご本人はもちろん、ご家族や友人に読んでもらうのもいいと思います。
 
あとがきにも感銘を受けました。
 
【2019 追記】
現在は元気になっています。