つまずいた思い出 | あるバレエママの告白

あるバレエママの告白

バレエしている息子のこと。それを母として観察する私が考えたこと。デンマークの暮らし、教育などなど、ふと頭に浮かんだことをそのまま書いてます。

いや〜〜!この一年、つまずいたり、落ちたりすることが全く多かった我が家でした。


そして、今更ながら告白すると、最初につまずいた大馬鹿は、何を隠そうこの私だったのです。


今日は、その時のことを思い出しながら書こうと思います。


はい、アホな私は、言葉の通り、つまずいちゃったんです。


やっちゃったのは、去年の7月、夏休み旅行先のブダペストでした。


到着の翌日、朝型人間の私は、いつも通りに5時に起きて、(よっしゃ〜〜!)とホテルを飛び出しました。


美しいブダペストの街を眺めながらドナウ川沿いを毎朝ジョギングするのをとても楽しみにしていたからです。


ペスト側を出発して、橋を渡ってブダ側を走り、また橋を渡ってホテルに戻る、8kmくらいのコースを予定していました。


夏は暑〜いブダペストだけど、朝はとても爽やかで、あんまり気持ちがいいので、前に前に進んでしまい、(いい加減に橋を渡らなきゃな〜〜)と思ったけれど、有名なセーチェーニ鎖橋が工事中で渡ることが出来ず、もう一つ先の橋まで足を伸ばしてそこを渡って引き返したまでは良かったのですが……その時点で既に8km以上走っていて、美しい景色にテンション上がり気味で自覚症状はなかったけれど、私は疲れはじめていたのだと思います。


バッチャーニ広場駅の前を通りかかり、ドナウを挟んで見渡す国会議事堂が(美しいわ〜)と呑気に見惚れた次の瞬間、何かにつまずいて、バッーンと勢いよく倒れてしまった私でした。


膝、お次に顔面と、アスファルトに思いっきり叩きつけられて、痛かったけど、その時はそれどころじゃなかったです。


早朝で、周りにほとんど人はいなかったけれど、も〜〜とにかく恥ずかしくて、ササーッと立ち上がり、何ごともなかったように走り続けた私でした。


でも、現場を去りながら(嗚〜呼、今回は、本当にやらかしちゃったなぁ〜っ)て思いました。


立ち上がりながら舌で前歯の状態を確認した時、ボロボロなのが確認されたからです。


その後は、流石に走るペースを落として、ゆっくりホテルに戻りました。


(主人になんて伝えよう?)(どんだけ欠けちゃったのかな?)(治療はどうする?)(いくらかかるかな?)


などなどと考えながら……


ブダペストには、私は旅行で行ったけれど、主人は仕事で行ってました。


初日から予定がびっしり詰まっていた主人に迷惑かけたくなかったし、折角やってきたブダペストの時間を歯の治療で潰したくない!と思いました。


舌で触った時は、前歯が2本が全滅しているように感じられましたが、実際には、1本が3分の1強欠けて、もう一本は先の方が少し欠けている程度でした。


膝も強く打ったので、折れたり、切ったりしなかったのは、まあ不幸中の幸いか!と元気を取り戻しました。


デンマークの歯医者さんに連絡して、歯の治療はデンマークに帰国してからすることにしました。


情けなかったのは、どんなに厚くファンデを塗っても隠せない、顎の下にできた大きな青あざでした。


(まあ、あの人、可哀想に!)とばかりに、観光客らしい若者たちに、露骨に指をさされたり、ジロジロみられたりしちゃいました。


同じホテルに宿泊していた主人の同僚たちには、それがDVで出来たあざではないことを説明しなければなりませんでした。(もちろん冗談でだけど!)


でも、この初日のハプニングで、かえって私の闘志は燃え上がってしまったので、翌日からも、毎朝パワーウォークに出かけ、to doリストも片っ端からこなすことが出来た、悔いの残らない充実したブダペスト滞在になったのでした。


残念だったのは、硬いものが食べられなかったことかな?グヤーシュばかり食べてました。ケーキは美味しく食べれたけれど、前歯がないとワッフルでアイスクリームを食べるのは難しいと思い知らされました。


観光の後は温泉に通い傷口の治療にも励みました。


大きなあざは滞在した1週間で消えることはなかったけれど、その後治りが早かった気がします。


前歯は帰国後、行きつけの歯医者さんに強力なプラスチックの詰め物でパーッと直してもらうことが出来ました。かかったのは2万円強で、インプラントで膨大な出費になるかも?と転んだ時は恐れていたのでホッとしました。


以来走るのが恐ろしくなり(出費が……)暫く走れませんでしたが、最近また復活してジョギングを楽しめるようになりました。


5ヶ所の温泉に行きましたが、ブダペストの温泉は本当に最高です。言葉が出来なくても、問題なくその場でチケットも買えたし、どの温泉も、一度入ったら好きなだけいて良かったので、とてものんびり出来ました。


最後に、個人的に気に入った順にサクッと感想を書き残したいと思います。


1. ルダシュ温泉。


巨大ではないけれど、42℃のお湯も選べるトルコ風風呂が本格的で、水も温泉らしい硫黄の香りがして、とにかく最高に気持ちよかった!女性専用の火曜日に行って伸び伸びできた。露天風呂でドナウ川を眺めながら入浴することもできる。


2. ゲッレールト温泉。


真っ先に飛んで行ったのがこの温泉。厳かな雰囲気の建物だけど、飲食コーナーが充実していて、観光客、特に家族連れには良さそうだったし、1人でも良かった。水の質も良さそうだった。プールにはキャップを持っていないと入れない、と言うルールをここのお兄さんが優しく教えてくれたお陰で、即キャップを購入し、次の温泉からは、注意されることなく悠々とプールも楽しむことが出来た。


3. ダンダール温泉。

観光ガイドとかにはあまり載っていない、穴場の温泉として紹介さえていたこの温泉が、偶々ホテルの比較的側だったので行ってみたが、近所の人もちょこちょこ入りにくるような雰囲気でとても良かった。それにどこよりも安かった。


4. ルカーチ温泉。

真面目に療養のために来る場所、といった落ち着いた雰囲気があった。


5. セーチェーニ温泉。

とにかく一番有名で、ガイドブックなどにも必ず登場しているのがこの温泉。歴史的な建物は一見の価値があるため、必ず行くべきだと思うけれど、温泉としては私的には最後の順位。沢山の湯風呂から選ぶことが出来るけど、どこも観光客でゴッタ返しで、乱雑な印象を受け、水質も健康に良いんだか悪いんだかわからなかった。キャップ着用者専用のプールは空いていたので、楽しむことができた。