相変わらずもやもやした空気が漂う中、The show must go on 精神で、表面上は前に進みつつある、息子の残り少ない研修生生活です。
4月に予定されている舞台のリハーサルがやっと本格的に始まったようです。
人間関係でストレスが溜まっている息子には絶対言わないけれど、私は内心ホッとしています。
一応学校代表と言う形で参加する「Gala des Écoles de danse」、先生方にしっかり指導を受けて臨んで欲しいと思うからです。
金曜日に初演されるカンパニーの演目にアンダーで入っているので、そちらのリハーサルにも参加しなければなりません。
舞台に立つ可能性は限りなくゼロだけど、万が一のためにちゃんと踊れなきゃいけないアンダーであることの難しさを体験できて、それも良かったのではないか?と思います。
さて、ここ3ヶ月半の担当不在で、日替わりトレーナーの気まぐれクラスに苦戦しながら、右足の不調を確信した息子でしたが、なんと右足にも除き損ねの三角骨があることが検査の結果ハッキリしました。
2022年5月に手術して、1回の手術で両足の三角骨は綺麗さっぱり取り除かれていたはずでした。
が、3ヶ月のリハビリの後も中々本調子に戻ることができず、検査した結果、左足に骨が残っていることが発覚して、2022年12月に2回目の手術を受けた息子でした。
実はその時既に「右足も違和感が残っているので検査した方が良いと思う」と息子は訴えたそうなのですが、「痛みがないなら大丈夫」と医師に言われたそうです。
でもその後、本格的なトレーニングに戻ったものの、右足関係の怪我が続いて、息子の中では右足への不信感がジワジワと膨らんでいたようです。
何かが手術を境に狂ってしまった?と感じていたみたいです。
踊る時に痛みがなくなったことで、手術して良かった〜とただ単純に喜んでいた私は、息子のその不信感に気付きませんでした。
2024年2月、息子は自分の判断で、医師に再検査を強く要請することができ、その結果、残留骨の存在が確認されました。
ルルベをすると右足に突っかかる感があるけれど、ひどい痛みがある訳ではなく、今後その骨をどうするか?はまだ決まっていないのですが、錯覚ではなく事実だったことが証明されたことは良かったと思っています。
ひどい痛みはないと言っても、1日リハーサルした後帰宅した息子は、歩くことさえ不自由と言った状態なんです。
それでも4月の舞台は絶対に成功させるんだ!と言う意志は強いらしく、翌日になると普通に出かけていきます。
幸い、この忙しい1週間を乗り切ったら、来週には復活祭休暇が待っています。
私たちは、長男の嫁の実家があるパリに旅行する予定です。
二人が結婚して以来、嫁の母に会うたびに「今度はうちに泊まりに来てね〜」と言われ続けていたけれど、まだ訪ねて行ったことがありませんでした。やっと実現します。
パリは何度も行ったことがあるけれど、今回は嫁の生まれ育った環境を体験できることにとても興奮しています。
ワクワクするおまけのお楽しみは、明日初日で来週も上演されるパリ・オペラ座バレエ団による『ドンキホーテ』を観ることです。
嫁の母もバレエ好きなので、奮発して良いチケットを購入しました。
息子にとっても良い体験になるように願っています。
最後に、本題とは全く関係ないけれど、韓国も日本も大好き!と言うロシア人のお友だちに誘われて、教わりながら昨日一緒に作った、韓国宮廷料理の写真を貼り付けます。
真ん中のお皿の、小さなチヂミと、それを囲む8種類の色とりどりのお菜が乗ったのが、クジョルパンと呼ばれるその料理です。
チヂミに周りのナルムを少しずつ乗せて包んで、甘酸っぱいタレにつけて食べます。
宮廷料理と言う名前にしては、意外とシンプル?と感じちゃったけれど、チヂミはもちもちで、お味はとっても良かったです。
このクジョルパン、漢字では九節板らしいですが、その形を見て私の頭にパッと浮かんだのは、日本の家紋の九曜紋でした。
平安時代の貴族の牛車には身分を示すものとして家紋が描かれたそうですが、絵巻をみると、この九曜紋が描かれた牛車がやたらと目立って、貴族の家紋に何故こんなに九曜紋が多いの?と不思議でした。でも、九曜紋は家紋と言うより厄除けの紋章だったそうで、なるほど〜と納得しました。
陰陽道の影響が濃い文化は韓国と日本の共通点だから、クジョルパンも九曜紋も、同じ意味があるのでしょう。私が連想しても不思議ではなかったのですね!
厄除けになるなら、息子にも作ってあげたい一品です。