不条理には程がない | あるバレエママの告白

あるバレエママの告白

バレエしている息子のこと。それを母として観察する私が考えたこと。デンマークの暮らし、教育などなど、ふと頭に浮かんだことをそのまま書いてます。

病欠です。まだ病欠です。暫く病欠です。もう暫く病欠です。


2年目、3年目の研修生を担当するトレーナーは去年の12月以来、丸々3カ月間、病欠していました。


3年目研修生の入団オーディションの1週間前に突然姿を消してしまわれたので、トレーナーの体調を心配しながらも、(よりにもよって3年生の、この一番大切な時に、なんて言う悪いタイミング〜〜)と恨めしく思ってしまいました。


でも、病欠が長引くにつれて、それはただの病欠ではなく、トレーナーはお元気で、出てこれないのは自らの意志か?誰かの指示なのだと言うことがジワジワと明らかになりました。


なぜ戻って来ないのか?と言う研修生たちの問いに対して、校長(以降Aとする)の答えは、ブログの最初に書いた曖昧なものでした。


そして、今週のはじめ、Aによって、トレーナーはもう戻ることはないと研修生たちに告げられました。


「あーそう言えば、トレーナーは戻ってこないから」といった軽い口調だったようです。


最後の最後まで希望を捨てていなかった研修生たちにとっては絶望的な知らせだったにも関わらず……。


Aからの残酷な告知の翌日、研修生たちにトレーナーから直接のメッセージが届きました。


そして、そこには信じ難いことが書かれていたのでした。


昨日、あなたたちは私が戻れないことを伝えられたそうですね……私は一年半前にAが就任して以来、Aから酷い個人攻撃を受け続けてきた。あの悲しい新聞記事を上手く利用して、Aは私の首を切った……


そうです、トレーナーは、解雇されていたのです。


「外国で受けたサマーを含めて、今までで出会った全てのトレーナーの中で、最高のトレーナーだ」


13年間のバレエ学校生活で今内部にいるほとんどのトレーナーたちとなんらかの形で関わったことがある息子がそう断言するほど素晴らしい指導者なのに……


デンマーク王立バレエ団の歴史に残るプリンシパルだった彼女は、7年前に研修生のトレーナーに就任して、現在の研修生制度を軌道に乗せた学校にとっても功労者です。


彼女を、ダンサーとしても、トレーナーとしても心から尊敬しているので、この不条理な事態がただただ虚しく残念でなりません。


何故、こんなことが起こってしまったのか?


何故、他のトレーナーたちはなにも言わないのか?


何故、芸監はバレエ学校で起こっていることにこれ程までに無関心を装うのか?


デンマーク王立バレエ学校には不合格で入学できなかったので、ダンサーとして王立劇場の舞台に立ったことさえないAに、何故そんな権力があるのか?


不条理への疑問はつきません。


バレエ学校、終わりかな?って感じです。


少なくとも2年目、3年目の研修生にとっては……


独裁者によるバレエ学校革命は知らないうちに始まっていたのですから!