来週の日曜日、デンマークに新しい王様が生まれます。
2023年12月31日、毎年恒例の大晦日のスピーチで、マルグレーテ2世女王は、即位から52年になる2024年1月14日に退位し、長男であるフレデリック王太子に譲位することを国民に伝えました。
この大ニュースを前もって伝えられていたのは、極々限られた人だったようで、この発表により、首相でさえ、翌日のニューイヤー恒例スピーチを大至急書き直さなければならないほどでした。
ショックだけど、理解できる、懸命な決断だ、これでよかった、フレデリック王太子はいい王になる……
と言うのがほとんどの国民の反応でした。
83歳と言う高齢で女王であり続けるのは大変だ、私も理解はできるけど、退位のニュースはとても残念で、正直ガッカリしました。
君主の譲位はデンマークではあり得ない、と常におしゃっていた女王さまだったので、それはローマ教皇ベネディクト16世が退任を発表した時(そんなことできるの〜〜〜!)と大ショックを受けて以来のショックでした。
何はともあれ、長い間ご苦労様でした。
大晦日には、女王さまのこの発表で、暫くシーンとなった我が家でしたが、その後は乾杯し直して、年明けまで家族みんなでいつも通りに過ごしました。
元旦の朝、いつもより遅く目を覚まして直ぐに入ったブレーキングニュースで、能登半島地震が起きたことを知りました。
日本に電話をしたけれど、東京の母は、テレビのニュースを見て、電話に出れない程ショックを受けていました。
地震は本当に恐ろしいです。
辛い日々をすごされている被災地の皆さまのことを思うと、ただただ胸が痛んで言葉を失います。
心からお見舞い申し上げます。
安らいだ日々が一刻も早く戻って来るように祈ってます。
デンマークは相変わらず女王退位のニュースで持ちきりです。
日曜日は、明るい笑顔だけのお祝いムードの儀式になるのかな?
例えば、どんな色のドレスを着るのだろう?
52年前、1972年1月14日、アメリエンボー宮殿クリスチャンボー城のバルコニーに、喪服姿のマルグレーテ王女とデンマーク首相が姿を現し、首相によって、フレデリック9世の崩御が伝えられ、それに続いてマルグレーテ2世の即位が伝えられました。
国王が亡くなったことへの悲しみ、女王誕生への喜び、国民の感情も複雑で、暗く、とても重々しく、厳かな儀式だったようです。
でもそれは、ずーっと受け継がれて来た、君主が変わる時の、デンマークの伝統でもありました。
今回の退位/即位が、全く違った雰囲気になるのは確かです。
いずれにしても、大切な何かが失われてしまうと感じます。