メサイア | あるバレエママの告白

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デンマークの暮らし、教育、子どもたちを通して知ったバレエのこと、旅行の話などなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

クリスマスコンサートと言うとヘンデルの『メサイア』が定番らしいですね?!


私はそのことを恥ずかしながら知らなかったのですが、バロック音楽好きの主人はクリスマスシーズンが来るたびに(『メサイア』を生で聞いてみたい)と、ずっと以前から思っていたそうで、「それなら一度行きましょう」と言うことになり、行ってきました。


『メサイア』の知識がなかったので、(ちょっと予習しておこう)と思ったら、ちょうどタイミング良く、車田和寿さんが下の動画をアップしてくれました。私はこの方に音楽のことを沢山勉強させて頂いています。 



『メサイア』には第1部がメシア到来の預言と誕生、第2部がメシアの受難と復活、第3部がメシアによる救い、と言う構成になっていて、ドイツでは復活祭シーズンに演奏されるものだそうです。


なるほど、その内容を理解すると復活祭に相応しいと思われますし、元々イギリスでも、はじめは四旬節に演奏されていたらしいです。


さて、第2部の有名なハレルヤ唱では起立するのが慣習らしく、皆さんパラパラと起立し始めました。



コンサートがあったのは、オラトリオらしく教会でした。私たちは毎週教会に通う習慣があるので、礼拝の、決まった箇所で立ち上がったり、ひざまずいたりするのは慣れています。


だから、理由はよく分からなかったけど、郷にいれば郷に従えみたいな感覚で、(どうする立つ?)と横の主人に目で合図したのですが、(別に立つ必要ないんじゃない?)と言う返事だったので、それに合わせて私も立ちませんでした。


前の人が立つと、単純に前が見え難くなる、と言う理由から自分も立つ場合があります。


私たちの前の列の人たちも立たなかったし、私たちもやめたので、起立の波がそこでカットされた感じになりました。


後から分かったのは、この起立の慣習は、1743年にロンドンで『メサイア』が初演された時、国王ジョージ2世がハレルヤ唱で起立したので、観客総立ちになった、と言うところから来ているそうです。


国王が何故そこで立ち上がったか?には、音楽に感動したからだ、とか、飽きたからだ、とか……さまざまな説があるようですが……とにかく国王が起立したら、起立する、そう言うのは今でも残っている慣習です。


理由はどうであれ、『メサイア』のコンサートで、背筋伸ばして立ち上がるとしたらあそこしかないでしょう!


復活の「ハレルヤ」感が高まって、いい慣習じゃないですか!


今回は、不意をふたれて戸惑ってしまい、立ち上がれなくて残念でした。


でもコンサートの後は、演奏家たちに敬意を示すために立ち上がって思いっきり拍手しました。


また『メサイア』に行く機会があったら、ハレルヤでも起立したいと思います。