今日の全国紙に「王立バレエ学校は、子どもたちを摂食障害、不安症、鬱病にした」と言う大見出しで、それはそれは長い記事が掲載されました。
その記事が記載されることを学校側から前もって警告されていた息子は、昨日の夜、その記事がネットに出て直ぐに見つけて読み、私にも記事を送ってくれました。
その記事は購読権がないと読めないので、その記事に関する別の記事ですが、参考のためにこの下に貼り付けておきます。デンマーク語です。
それは、2010年から2020年の間にバレエ学校に通った30人の元生徒たちにインタビューした結果、少なくとも17人が摂食障害に苦しんでいた、また今も苦しんでいる、と言うことが明らかになり、その原因はバレエ学校にあるとして追求する記事でした。
記事の中では、成人した元生徒たちが本名で登場してインタビューに答えています。
私の子どもたちは2011年から現在、つまり2023年まで、バレエ学校に関わってきたので、時期がガッツリかぶっています。
それほど大きな学校ではないので、新聞に登場する元生徒たちの名前には全て見覚えがあり、そのうち何人かは娘と歳が近く良く覚えている子たちです。
記事に登場するのは殆どが女子で、娘の直ぐ上の学年の先輩に関して、かなり詳しく書かれていたのでとても驚かされました。
健康そうに見受けられて、苦しんでいることを全く想像していなかったからです。
でも、何よりもショックだったのは、息子のクラスメイトだったO君に関する記事でした。
金髪で、クリクリした青い目の持ち主で、とても愛らしいお顔、貴公子のようなO君でした。
少なくとも小学生の頃は、バレエが大好きで、普通に歩いていても踊らずにはいられないって言うような子でした。
明るくて、外交的で、参観日などで通りすがりに会うと、ニコニコ笑顔で挨拶するとても礼儀正しい子でした。
そのO君が中学生になった頃から、先生の言葉に傷ついて、摂食障害を病んで、踊るのを辞めたと言うことを、私は本当に全く知りませんでした。
娘とO君は比較的仲が良かったのですが、O君が苦しんでいることを話してくれたことはありませんでした。
娘のクラスには、既に摂食障害だった女子が一人いて、学校はその子をずいぶん助けていたように見受けられたので、同じクラスにもう一人、しかも男子で、問題を抱えた子がいたとは想像もしていませんでした。
もっとも、記事によると、O君の母親でさえ、学校で一体何が起こっているのか知らなかったと言うのですから、私が知る由もありません。
中学3年生になって、O君がバレエを辞める、試験も受けない、と娘から聞いた時は本当に驚かされると同時に、とても残念でした。
古典バレエダンサーになるべきして生まれてきたような子だったからです。
O君も、記事に登場する他の元生徒たち同様、学校を去った後、摂食障害を病み、精神科医の診断を受け、カウンセリングに通うようになったそうです。
精神科医の診断結果、元生徒たちの摂食障害の原因は、バレエ学校、そしてバレエ学校で発せられた大人からの指摘であったことが言及されています。
O君の場合は、ストレスからの摂食障害だったようですが、女子の多くは、思春期になり、体型が変化して、学校側から間接的に「痩せるように」と言われ、(痩せなければ、退学になる、バレエを続けられなくなる)と言う思いに囚われて摂食障害になる、と言うパターンだったようです。
これに対して、学校側は「学校に流れている文化を変える努力をしている」と答えています。
バレエダンサーは、太っていてはダメですから、これは本当に難しい問題です。
摂食障害と言うのは、人に何かキツイことを一度言われた、また数回言われたからと言って、誰もがなるものではありません。色々な条件が揃ってなってしまうものだと思います。
ですが、影響力がある大人が言葉に十分気をつける必要はあると思います。今回のことで学校がその点を改善してくれたら将来のためになるでしょう。
そして、それは私自身や他の保護者たちにも考えてほしいことです。
娘は体型に関して学校から何か言われたことは一度もなかったのですが、授業参観の時に一度、クラスメイトの中でも特にガリガリの子たちの間に娘が立ってバーレッスンをした時があり、娘がちょっとポッチャリと見えてしまい、トレーニングの後で「運が悪い場所に立っちゃったわね!」みたいなことを言ったことがあるらしいです。
「お姉ちゃん傷ついたと思うよ!」
と後から息子にいわれてハッとしました。
幸い娘は9年生でさっぱりバレエを辞め、なんの後悔もなく楽しく高校に通い、今は工科大学で大学生をしています。
なによりも子どもの幸せを第一に考えて、夢のサポートが出来たらいいですね!
下に以前載せた記事のリンクを貼り付けます。娘のクラスが卒業前に作成した動画が載っています。
色んな感情が表現されている動画だと思います。良かったらどうぞ。
https://ameblo.jp/mwins/entry-12348937738.html